緊急事態宣言拡大 「越県レジャーやめて」週末控え知事ら苦言 監視部隊も(産経新聞)

 緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大した。範囲を広げた理由の一つには、都市部からの人の移動によりクラスター(感染者集団)が発生し、感染が拡大している傾向がうかがえることがある。これまでも、都市部から地方へ人が動く「コロナ疎開」を牽制(けんせい)する声が上がったり、近隣県のパチンコ店へ行く「越県パチンコ」が問題視されたりしていた。感染拡大を食い止めるためには、これまで以上に危機感を持って行動することが求められる。

【画像】新型コロナウイルスへの関西企業の取り組み

 今月15日、奈良県内にある郊外型の大手パチンコチェーン店をいくつか訪れると、いずれも「大阪」「和泉」「堺」など大阪ナンバーの自動車が並んでいた。少なくない数だった。

 奈良県内で中規模パチンコ店を経営する男性は「感染拡大の影響で売り上げは約3割減った。休業期間が長引けば、体力がないパチンコ店の多くが廃業する」と苦しい事情を打ち明けつつ、「社会的なことを考えると、県外からの流入は好ましくない。スタッフの感染リスクも上がる」と心配する。

 大阪府の吉村洋文知事も17日記者団に対し、週末を迎えることも念頭に「都道府県の枠を越えてレジャー施設やパチンコ店などへの外出はぜひ控えてもらいたい」と強調した。

 吉村氏はこれに先立つ全国知事会の対策本部会議でも府外への移動自粛を呼びかけると表明。16日にも「(パチンコをしたい)お客さんが大阪や兵庫を越えて、和歌山や奈良に行っていると聞く。ぜひ控えてほしい」と訴えていた。

 都市部に比べて医療態勢が充実していない地方でオーバーシュート(爆発的患者急増)が発生すれば、重症者の病床を確保できない非常事態も懸念される。

 吉村氏は17日、「元気に動いている人が感染を広げないことが重要だ。『ずっと』といわれたら無理かもしれないが、『5月6日まで』と期限を区切っている。どうしても、ということ以外の移動は避けてもらいたい」と重ねて訴えた。

 府県をまたいだ往来をめぐっては、国内有数の観光地を抱える京都府の西脇隆俊知事も「自治体間の抑制にもつながる」と対象区域の拡大を歓迎する。すでに繁華街などでは自粛が広がっているが、他府県からの飲食客らもさらに減少しそうだ。

 具体的に動き出しているのは和歌山市。大阪などからの“遠征客”に歯止めをかけようと、市内の遊興施設などを訪れる県外ナンバーの車を調べる調査チームを設置、監視を始めた。

 市職員5人1組の監視チームを、2組結成。パチンコ店だけでなく、ゲームセンター、カラオケ、ボウリング場など市内の約30施設を対象に、駐車場の乗用車のナンバーを確認。客に注意を促すなどの声掛けはしないが、結果を和歌山県や国に情報提供し、対策につなげたい考えだ。

 和歌山県の仁坂吉伸知事も17日、「店舗での対応は難しいかもしれないが、『県境を越えて来ないでほしい』というメッセージは出していく」と述べた。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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