署内感染の発端ユーチューバー、留置場でマスクを着けず

 愛知県警岡崎署で7月、留置中の容疑者が新型コロナウイルスに感染し、接触した警察官らに感染が拡大した。なぜ広がったのか。

 発端となったのは、7月11日、岡崎署が窃盗容疑で逮捕したユーチューバーの男(29)だ。逮捕容疑は愛知県岡崎市の商業施設の食品売り場で5月、魚の切り身を会計前に食べたというもの。

 県警と岡崎市によると、男は逮捕された7月11日から岡崎署に留置。14日の検温で37・6度の熱が確認され、15日のPCR検査で陽性が判明。勾留が執行停止され、医療機関に入院した。

 岡崎署では24日までに、逮捕場所の山口市内のホテル駐車場から署まで男と護送車両に同乗した署員3人とその家族1人、捜査に関わった署員1人、同僚の刑事課員1人、さらに留置場で男と同室に収容されていた1人、別室の1人の計8人が感染。一時150人以上の警察官が自宅待機に追い込まれた。

 岡崎署はどのような対応をとっていたのか。

 署によると、男は逮捕時の聞き取りに対し、「体調の問題はない」と答えたという。護送車両内では、複数の署員がマスクを着用。車両内での男のマスク着用の有無は、「個別の事案は答えられない」として回答はなかった。

 留置場内の感染対策は、警察庁が2月、全国の都道府県警に、留置場の収容は「可能な限り、1人1部屋」とするなどの通達を出している。

 愛知県警はこの通達に基づいて対応しているというが、岡崎署では男の発熱が確認された後も2日間、同室に別の男が収容されていた。署の留置場に単独の部屋が空いていなかったためだ。県警留置管理課によると、署によって事件数や留置場の収容人数で差があり、単独収容ができないこともあるという。

 さらに、男は留置場の室内でマスクを着けていなかったという。県警は希望者にはマスクを支給しているが「室内での着用は強制できない」と同課担当者。

 留置場内での感染者は4月以降、東京都や広島県、山梨県でも確認されている。愛知県警では一部の署の留置場を無人にし、感染が確認された留置人を収容する対策もとる。だが署幹部は「警察の業務で不特定多数の市民と接する以上、感染リスクは防ぎようがないのではないか」と困惑する。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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