聖火よ、夢舞台へ 10年前に桃田選手迎えた夫婦の願い

 東京五輪聖火リレー2日目の26日、全国で唯一のスキー滑走によるリレーが福島県猪苗代町で行われた。小雨と霧のあいにくの天気だったが、同町出身で、フリースタイルスキー・モーグルで冬季五輪3大会連続出場の遠藤尚さん(30)が地元スキークラブの児童ら20人と一緒に鮮やかなシュプールを描いた。

 ゲレンデから降りてきた聖火を特別な思いで見つめていたのは、同町でペンション「あるぱいんロッジ」を営んできた平山真さん(72)、とし子さん(60)夫妻だ。「この聖火が、あの子たちの夢の舞台までつながってほしい」

 2011年4月、ペンションに旅行会社の男性が突然やってきて、こう切り出した。「バドミントンをやっている富岡高校と富岡一中の子どもたちを受け入れてもらえませんか」

 両校は県や富岡町などの方針で06年からバドミントンの強化に力を入れ、全国から選手が集まっていた。だが、東京電力福島第一原発から約10キロの場所にあったため、生徒たちは原発事故後に行き場を失っていた。

 「困っているなら」とその場で受け入れを決めると、5月の連休明け、35人ほどの子どもたちがやってきた。築40年の別館の畳の10室に2段ベッドを入れた。

 当時、原発から約80キロ離れ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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