聖画「雪のサンタマリア」を修復 映画「沈黙」に登場

 日本二十六聖人記念館(長崎市)所蔵の聖画「雪のサンタマリア」が、京都市の京表具伝統工芸士の手によって修復された。作家の故・遠藤周作さんの小説を原作に米国のマーティン・スコセッシ監督が映画化した「沈黙」に出てくることでも知られ、現在まで残る17世紀の宗教的作品として国内外で高く評価されている。

 「雪のサンタマリア」(縦28・1センチ、横21・8センチ)は、掛け軸になった聖母マリアの絵画。長崎でイエズス会士の画家に学んだ日本人が制作したとみられている。長崎の潜伏キリシタンが、キリスト教の禁教下で隠し持っていた。

 修復したのは、宇佐美直治(なおはる)・宇佐美修徳堂社長(56)=京都市左京区。折れや亀裂などの劣化が目立っていたといい、10月まで約6カ月かけて作業した。

 記念館や専門家と相談し、この絵は潜伏キリシタンの信仰の歴史を物語っており、作品のしわの多さや絵に貼り付けられた唐紙、汚れなどのすべてを一つの作品と考えるべきだと判断したという。

 絵の風合いを変えず、表から見…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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