自民、2人の幹事長の思惑交錯 世耕氏、衆院くら替えなら二階氏と地盤重複(産経新聞)

 自民党の世耕弘成参院幹事長=参院和歌山選挙区=の就任祝賀会が24日、和歌山市で開かれた。会合は党県連会長を務める二階俊博幹事長が事実上主催し、出席者は地元から「2人目の幹事長」が誕生したことを祝った。ただ、世耕氏の支援者には、将来首相を目指すため衆院へのくら替えを望む声がある。そうなれば、選挙区候補をめぐり二階氏と複雑な問題が生じる可能性もあるだけに、会合ではさまざまな思惑が交錯した。(今仲信博)

 「参院幹事長として堂々たる活躍が期待されている。世耕氏を支えることが、われわれの役割だ」

 二階氏は会合でこうあいさつした。世耕氏も「素晴らしい会を企画いただき、ありがたく思っている」と応じ、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

 しかし、党関係者は会合を冷めた目で見る。「世耕氏の祝賀会を二階氏が開くことは、地元の事情を知る立場からすればすごいことだ」と驚きを隠さない。

 安倍晋三首相の側近として、経済産業相などを歴任した世耕氏には、地元で「将来は首相」という期待論が強い。ただ、世耕氏は当選5回の参院議員だ。戦後、参院議員が首相となった例はない。仮に衆院へくら替えするならば、経済企画庁長官を務めた祖父の弘一氏の出身地である新宮市を含む衆院和歌山3区での出馬が有力視される。

 問題は、同区が二階氏の地盤と重なることだ。同区では二階氏の長男と三男が活動しており、地元では80歳の二階氏の引退後は「息子を後継にする」(二階氏周辺)といわれている。

 「二階王国」は足元で複雑な事情を抱えている。平成28年の御坊市長選では長男が落選し、今年4月の和歌山県議選御坊市選挙区では、二階氏の元秘書だった自民現職が共産党の新人に敗れた。

 実際に世耕氏はくら替えを狙うのか-。党の閣僚経験者は、首相が世耕氏を参院幹事長に選んだ背景を、首相候補ではなく「『参院のドン』になってほしいという意味だろう」と推測する。祝賀会でも、世耕氏は「参院自民党幹事長として頑張りたい」と強調した。

 それでも、二階派(志帥会)は警戒を隠さない。世耕氏は参院で社会保障制度に関する勉強会を立ち上げるなど存在感を高めるだけに、派の議員は「いざとなればあの手この手でやってくるのでは」と疑心暗鬼を募らせている。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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