花畑牧場、ベトナム人従業員側の要求受け入れ 田中義剛社長は謝罪も

 タレントの田中義剛氏が社長を務め、生キャラメルなどの製造販売で知られる「花畑牧場」(本社・北海道中札内村)で、ベトナム人従業員が待遇改善を求めてストライキを起こし、その後も労使が対立していた問題で、会社が従業員側の要求を受け入れる形で和解が成立した。従業員と支援する札幌地域労組は19日午後に北海道帯広市内で集会と記者会見を開き、「ベトナム人労働者の権利と名誉が回復する形で和解にいたり、非常に意義があると考えている」(同労組)と評価した。

 ストは1月26日、ベトナム人従業員約40人が待遇悪化に抗議し、十勝第2工場(中札内村)で起こした。従業員寮の水道光熱費は月7千円だったが、十分な説明がないまま昨年10月以降値上げされ、今年1月には約2倍になっていた。

 スト時に同社に労組はなく、会社側は「正当なストではなく、職場放棄」と主張。ストを主導したとみなしたベトナム従業員3人に対し、1人あたり50万円の損害賠償を請求した。スト前の田中社長と従業員の話し合いの音声ファイルが意図的に編集され、報道されたなどとして、3人を名誉毀損(きそん)容疑などで道警に刑事告訴もしていた。

 一方、従業員や札幌地域労組は「ストは正当な権利だ」と主張。3人の従業員(当初は4人)はスト後に労組を結成し、会社側との対立が続いていた。

 札幌地域労組によると、会社側から問題解決の提案があり、労組側が示した和解条件案を受け入れる形で18日に和解が成立し、協定を結んだ。田中社長からは「申し訳ありませんでした」との謝罪の言葉があったという。

 和解協定の内容は9項目。まず会社側が、昨年10月以降の光熱費値上げ後の一連の対応が不適切と認めて謝罪。その上で、従業員3人への損害賠償請求と刑事告訴を「理由がない」と認め、取り下げることとなった。

 また、従業員3人の雇用契約は3月15日で満了したが、契約書類と出入国在留管理庁への提出書類で契約期間が異なっていた。この問題については、当局への提出書類通りに9~10月までの給与と、ストに対する7日間の出勤停止処分期間の賃金を解決金として支払うことになった。

 3人は当初、雇用継続を求めていたが、労組側が「労使紛争の激化で3人が会社に戻るのは難しいと判断した」とし、賃金補償に切り替えたという。

 このほかの合意項目は、▽労…

この記事は有料会員記事です。残り652文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment