客の減少や後継者不足で苦境に立つ銭湯を、防災の観点からその役割について見直そうという動きが広がりつつある。被災で家の風呂が使えなくなった人に入浴サービスを提供したり、一時避難所として使えたりするからだ。業界団体と協定を結ぶ自治体も増えている。
電車を乗り継ぎ入浴
大阪北部地震発生翌日の2018年6月19日。大阪市東淀川区で「昭和湯」を営む森川晃夫さん(45)は家族から、ふだん見かけない客が多く来ていると聞かされた。地震で自宅の風呂が使えなくなり、電車で来たのだという。
森川さんの銭湯は幸い被害がなく、営業を続けていた。家族から話を聞いた森川さんは「銭湯としてやれることがあるのでは」と直感的に考えた。翌日、気心の知れた府内の銭湯経営者に呼びかけ、被害が大きかった大阪北部6市の被災者に無料開放することを決めた。
4日ぶりのお風呂に感謝
自身のフェイスブックなどで「タオルとバスタオルを無料で貸し出します。手ぶらで来てください」と呼びかけた。隣のエステ店もシャンプーやボディーソープを無償で提供してくれた。6月末までに府内の57の銭湯が「無料開放」に賛同。この間、のべ1千人を超す人が利用した。利用した人から「4日ぶりのお風呂にホッとできた」「人道支援ありがとうございます」などの声が寄せられた。
ただ、無料開放に応じてくれ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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