藤井五冠導いたおやつ 料理長、研究重ねた初手「いちご大福」

 将棋の藤井聡太竜王(19)が史上最年少での五冠を成し遂げたのは、東京都立川市のホテルだった。対局相手の渡辺明名人(37)と並び、将棋界のトップ2を迎え入れるのはホテル側にとっても一大事。張り詰めた2日間の中で、将棋素人の料理長は藤井竜王のある判断を読み切っていた。

 11~12日に行われた、第71期王将戦七番勝負第4局。会場になったのは、オープンして1年半になるリゾート型施設「SORANO(ソラノ) HOTEL(ホテル)」だ。総料理長の竹田光良さん(45)のもとに、今季の王将戦開催の一報が入ったのは秋口のこと。警察官らが警備の準備で出入りするようになったのを見て、大物の来訪を実感した。

 藤井竜王と渡辺名人の「研究」を、竹田さんが始めたのもこの頃だ。「将棋は小さい頃に父と指したぐらい。詳しくないが、料理も情報戦。得られる情報はすべて得たかった」

 ミッションは、2人が対局中に食べるおやつを作ること。前年の王将戦でもホテルを訪れた渡辺名人と違い、藤井竜王のデータはなかった。

 知人の料理人に話を聞いたり、新聞記事をあさったりして、藤井竜王のひとつの傾向にたどり着いた。

 「ご当地の食材を使った和菓…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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