被告と母親を提訴 遺族7200万円賠償請求 大阪・門真一家殺傷(産経新聞)

 大阪府門真市で平成28年10月、大工の川上幸伸(ゆきのぶ)さん=当時(43)=が殺害され子供3人も重軽傷を負った事件で、川上さんの妻ら遺族7人が1日、殺人や殺人未遂などの罪に問われた小林裕真被告(27)と母親に、慰謝料など計7200万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。

 訴状によると、小林被告は26年に統合失調症と診断され、同年12月に入院。しかし、母親が入院費を滞納するなどして27年3月に退院となった。退院時は病状が改善していたが、その後薬の服用を中断したため病状が悪化。他人に危害を加える可能性があった。

 小林被告の刑事裁判では、事件当時は妄想型統合失調症により善悪の判断力が著しく劣り、心神耗弱の状態だったと認定された。遺族側は、母親が退院後に適切な治療を受けさせず、病状の悪化を招いたと主張。「被告の病状から目をそむけたため事件を防げなかった。監督義務を怠った不法責任がある」と訴えている。

 判決によると小林被告は28年10月19日未明、自宅で就寝中だった川上さんを短刀で殺害し、長女ら3人にも約2週間~6カ月の重軽傷を負わせるなどした。

 1審大阪地裁の裁判員裁判は30年4月、被告に懲役30年を言い渡した。大阪高裁も今年5月、1審判決を支持し、小林被告は上告中。

 提訴後、川上さんの妻の千春さん(46)と3人の子供が大阪市内で記者会見。千春さんは「私たち家族の人生はめちゃくちゃになった。なぜ被害者がつらく、苦しい思いをしなくてはいけないのか」と涙ながらに語った。事件の資料を読み込む中で「事件は防ぐことができたのでは」との思いを強くし、提訴に踏み切ったという。また次女(20)は「携帯にあるパパの動画を見ると、長い出張に行っているように感じる。被告が憎くて仕方がない」と訴えた。

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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