被害者にも加害者にもならないで 愛娘奪われた遺族が語り続ける理由

 人口10万人あたりの交通事故死亡者数が全国ワースト上位の香川県で、ドライバーが運転免許の更新時に視聴する映像がある。「忘れてはならない香川の交通死亡事故」というタイトルの4分間の映像だ。

 交通事故で一人娘を亡くした夫婦が昨年春から、実名で顔を出して出演している。

 副題は「善通寺市小5女児交通死亡事故 被害者遺族の声」。香川県警が交通安全教育の教材として制作し、運転免許センター(高松市)が更新時講習の待ち時間などに流している。

 出演しているのは香川県善通寺市の秋山隆志さん(53)と妻の裕紀子さん(51)。

 一人娘の実久(みく)さん(当時11)は2014年1月29日、小学校からの下校途中、軽乗用車にはねられ、9日後に亡くなった。運転していた男は危険ドラッグを吸引しており、危険運転致死罪で懲役12年の判決を受けた。

 「実久のお父さんとお母さんはこんな人だということを知ってもらいたいと思いました」

 9月中旬に自宅を訪ねると、遺影が見えるリビングで、隆志さんは顔を出して出演を決めた理由をこう語った。

記事の後半では、交通事故で一人娘を奪われた夫婦が、交通安全教育用の映像で語ったことばを紹介しています。

 秋山さん夫婦は17年にも、県警の依頼で交通安全教育教材の映像に出演した。当時はメディアの取材などで顔や名前を伏せており、不特定多数の人が見ることになるこの映像でも顔は見せなかった。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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