親の再婚・新恋人出現で帰省できないアラサーたち、「家族ヅラやめて」多様性世代の葛藤(BUSINESS INSIDER JAPAN)

“居座り”“家族ヅラ”にうんざり

東京都内で働くAさん(女性、20代、会社員)は、今年の正月を10年来の親友と過ごすことに決めた。社会人になって1人暮らしをして以降、年末年始は実家で家族と過ごしていたが、もうそれは出来ない。

「姉の夫が実家に居座るからです。聞いたときはつらくて吐きそうでした。その上、父も再婚を考えている恋人を連れてくることになったらと思うと……。家族ヅラしたいんでしょうけど、あんな宇宙人みたいな人たちと会うつもりはありません」(Aさん)

父、母、姉の4人家族だったAさんが、病気で母親を亡くしたのは高校生のときだ。当時のことはショックであまり覚えていない。一方で、母親の8年間にわたる闘病生活とその後を乗り越えたことは、家族の絆を深めたとも感じていた。

だからこそ、父に新しい恋人ができたと聞いたときは応援しようと思った。当時、Aさんは海外の大学に留学中。母の死からは5年が経っていた。Aさんの帰国に合わせて父、姉、Aさん、そして父の恋人の女性とレストランで会食したときのことは、今でも強烈に覚えている。

その場を盛り上げようと気を使うAさんに対し、女性は物静かで良くも悪くも空気を読まないタイプ。

私が線香を焚いた理由

「話した瞬間にまるで気が合わないと思いました。宇宙人と話したらこんな感じなんだろうなって……。恋愛自体を否定しているんじゃありません。父がこの先の長い人生を1人で暮らしていくのは可哀想だし。受け入れ態勢だったからこそ、どうしてこんな人を選んだんだろうとショックでした。

そもそも父は、母に家事も育児も全て任せっきりだった。結婚=女を縛るものという感覚が抜けなくて、私はいまだに結婚したいと思えない。そういうモヤモヤが再燃して、どうしようもなく腹が立ったんです」(Aさん)

脳裏に浮かぶのは、朝早く起きて家事をこなし、深夜遅くまで持ち帰った仕事をする母親の後ろ姿だ。

以降、Aさんは父の恋人を避け続けている。食事の誘いも全て断り、Aさんの実家に2人が遊びに来ると知った時は、直前に母の遺影の前で線香を焚いた。

さらに不信感が募ったのは、恋人が父の資産を管理していると思われる書類を、Aさんが実家で見つけたからだ。

父からは再婚も考えていると聞かされており、実家に再婚相手の女性が住むことになったらどうか尋ねられたこともある。Aさんの答えは「帰りづらくなるよね」と一言。以来、再婚についての具体的な話は出ていない。


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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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