記録史から見る感染症(3)~惑わされる人々~(MBSニュース)

見えない敵の存在は、いつの時代も人々の心を惑わせます。約100年前に刊行された「神戸市伝染病史」にも…

【神戸市伝染病史】
『赤痢患者の消毒に行った警察署長が真っ赤に熟れた柿を危険な病原と認めて叩き落とした』
『迷信:伝染病の流行する時は煎豆を神社の境内に埋めて祈願する』

などと書かれていました。

新型コロナウイルスには、『にんにく』や『ゴマ油』『温かいお湯がいい』など嘘の情報が世界中に出回りました。WHO(世界保健機関)は、こうした情報を真面目に否定。口さがないデマや噂は一瞬のうちに広まります。

クルーズ船に乗っていた夫婦は検査の結果「陰性」でしたが、自宅に帰ってからも隠れるように暮らし続けています。きっかけは、長年通い続けてきたスポーツクラブからの電話でした。下船の時、偶然テレビなどに顔が映ったことが原因ではないかと話します。

「スポーツクラブに見知らぬ会員から連絡が入ったみたいで“いつから来られますか”って言いにくそうに…。2週間は自宅待機するつもりだったので当分は行きませんと。“そうですか”とホッとした感じで。その後もずっと部屋にいたのに、スポーツクラブに夫婦で来たっていう根も葉もないうわさが出て。そんなデマを出す人がいるからもうやめようかと2月末でクラブもやめた。」(妻)

親しかったマンションの管理人の男性とも疎遠になりました。

「よく立ち話をしていた。帰ってきたらすぐに寄ってきて世間話していたけど(クルーズ船以降)ピタッと来なくなった。気にしているなって、ピタッと。目が合っても何も言ってこない。」(妻)

スタッフが感染した医療機関への誹謗中傷は今も続いています。複数の学生が感染した大学への脅迫まがいの嫌がらせも数百件以上あったといいます。他人を責めても何も得られないのに感染拡大と共に冷静さを失っていく人々。それは、今に始まったことではありません。

神戸市伝染病史の記録にもありました。

【神戸市伝染病史】
『明治14年、兵庫県議会は当時神戸でコレラが流行したのを恐れて摩耶山の頂上で開会したことは珍聞である』


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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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