証人の母親が向けた視線に「ママ友」は目を合わせず 5歳児餓死公判

中山直樹、板倉大地

 福岡県篠栗町で2020年4月、「ママ友」同士だった碇(いかり)利恵被告(40)=保護責任者遺棄致死罪で懲役5年の判決、控訴中=の生活を支配し、碇被告の三男翔士郎ちゃん(当時5)に十分な食事を与えずに餓死させたなどとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた、赤堀恵美子被告(49)の裁判員裁判が31日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であった。

 検察側の証人として碇被告が出廷。子どもの幼稚園を通じて赤堀被告と親しくなってから、「しばらくすると『他のママ友が悪口を言っている』と聞かされるようになった」などと、赤堀被告から共通の友人や当時の夫に関するうその情報を吹き込まれ、それを信じ込んで自身が周囲から孤立していった状況を証言した。

 入廷した碇被告は、赤堀被告に何度も目を向けたが、赤堀被告はうつむいて目を合わせなかった。碇被告の証言が始まると、赤堀被告は時折メモを取った。

 起訴状などによると、赤堀被告は碇被告と19年8月ごろから共謀して、翔士郎ちゃんの食事の量を制限。20年4月18日に餓死させたとされる。赤堀被告は、29日の初公判で「(食事の制限の)指示はしていない」などと起訴内容を否認した。

 福岡地裁は6月、碇被告の裁判の判決で、赤堀被告から「生活全般を実質的に支配された被害者としての側面もある」と認定した。(中山直樹、板倉大地)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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