証人出廷の組幹部が宣誓拒否、過料10万円 工藤会公判

 四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われている指定暴力団工藤会トップの総裁野村悟(73)とナンバー2の会長田上不美夫(63)の両被告の第35回公判が17日、福岡地裁であった。2012年の元福岡県警警部銃撃事件の証人尋問がこの日で終わり、次回から13年の看護師刺傷事件の証人尋問に移る。

 この日は両事件などの指示役として組織犯罪処罰法違反罪などで起訴され、審理が続く組幹部の田口義高被告(54)が検察側証人として出廷した。だが、田口被告は偽証しないことを約束する「宣誓」について「しません」と拒んだ。

 刑事訴訟法は特別の場合を除き、証人に宣誓を求めている。宣誓では証言する前に「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います」と述べる。

 足立勉裁判長が「(証言を自身の)裁判で証拠として使わないとしても証言しないか」と尋ねたが、田口被告は再び拒否。足立裁判長はその直後、同法に基づき「正当な理由なく証言を拒んだ。過料10万円に処する」と告げた。

 公判後、野村被告の弁護人は証人の宣誓拒否について「珍しいこと」と述べた。田口被告は自身の公判の被告人質問で、弁護側からの質問には答える一方、検察側と裁判官からの質問に黙秘し続けたこともあった。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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