誰のせいでもない、けど…コロナ禍の成人式、主役たちは

 成人の日の11日、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で、式典を延期する自治体が相次いだ。「誰のせいでもないのだけれど」。一生に一度の大切な日を楽しみにしていた新成人は嘆き、晴れ着の店や理美容室などの関連業界は、直前の延期発表に振り回された。

 兵庫県西宮市の式典は阪神甲子園球場であった。昨年と同規模の約3800人が参加したが、コロナ対策で甲子園名物のジェット風船飛ばしは中止に。座席の間隔を取り、参加票に座席と連絡先を記入してもらった。式典後、球場周辺は旧友との再会を喜び合い、なかなか立ち去らない新成人たちで混雑した。

 式がない新成人もいた。

 大阪市は7日に式典の延期を決定。成人の日に市役所であるイベントに出席予定だった大学2年、石上恭子さん(19)は「覚悟はしていたけど残念。母が成人式で着た振り袖を着るので母も祖母も楽しみにしてたけど、機会が遠のいてしまった」と落ち込んだ。

 例年成人式の後に高校の同級生が集まるというが、今年は早々にそのイベントも中止となった。「せめて式典を静かに楽しみたいと思っていましたが、仕方ないですね」

 同じイベントに出席予定だった同市の大学1年、船留祐希さん(20)は「残念だけど、中止でなくてホッとした」と話す。レンタルする振り袖は追加料金なく期間延長できたが、着付けやメイクをする予定だった美容室はキャンセルした。「3万円以上もするのに、キャンセル料を取らないでくれた。開催が決まったら改めて予約します」。大阪市の新成人は約2万5千人。市は3月末までの開催を目指すという。

 式典を延期する神戸市に住む自営業の女性(57)は「この日のために準備してきたのに」と落胆の声を寄せた。大学2年の長女(20)が新成人。市は延期後の開催時期を明らかにしておらず、「もしゴールデンウィークにするなら、暑くて振り袖なんて着させられない」と話す。

 ショートヘアだった長女は成人式のために1年半かけて髪を伸ばし、美容室は昨年の成人式の翌日に予約した。「延期は仕方ないとは思うけど、家族も業者もみんな振り回されています」。美容室をキャンセルするか悩んだ末、長女は11日、着付けやメイクをして、友人と生田神社で写真だけ撮って帰ってきた。

 延期に安心する声も。神戸市のアルバイトの男性(20)は「式典で友だちと会ったら、やっぱりそこから飲みにいきたくなる。延期にしてくれて良かった」と話した。愛媛県四国中央市の主婦(50)は「感染拡大地域から帰省するお友だちと自分の子どもが接触するのは不安だった。延期を聞いてホッとしている」とメッセージを寄せた。

■直前の延期発表、バ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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