講談社元次長の「妻殺害」、最高裁が有罪判決を破棄 高裁に差し戻し

 自宅で妻(当時38)を殺したとして殺人罪に問われた講談社のコミック誌「モーニング」の元編集次長・朴鐘顕(パクチョンヒョン)被告(47)の上告審で、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)は21日、懲役11年とした二審・東京高裁判決を破棄し、審理を高裁に差し戻す判決を言い渡した。今後、高裁で審理がやり直される。裁判官4人全員一致の結論。

 被告は「妻は自死した」と無罪を主張したが、東京地裁裁判員裁判、高裁ともに有罪とした。裁判員裁判の有罪判決を維持した高裁判決を、最高裁が破棄するのは初めて。

 第一小法廷は、二審について「関連する証拠の審理が尽くされたとは言いがたく、重大な事実誤認をした疑いがある」と判断した。

死亡した妻は自殺か他殺か

 被告の妻は2016年8月、東京都文京区の自宅で死亡。死因は窒息死で、1階寝室のマットレスに尿などの痕があり、遺体の額には深い傷があった。検察側は、被告がマットレスの上で首を圧迫した後、転落死を装うために意識のない妻を階段の上から落とし、額の傷ができたと主張した。

 一方、弁護側は、産後うつなどで精神的に不安定だった妻が包丁を手にし、被告ともみ合いになったと説明。被告が子どもと2階の部屋に逃げた後、妻が階段の手すりで首をつったと主張した。額の傷は、妻がもみ合い後に動き回った間にできたとし、「被告の行為で妻が亡くなったとはいえない」と反論した。

二審は一審を「誤り」としつつも…

 19年3月の地裁判決は、家…

この記事は有料記事です。残り1000文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment