警察学校で知った「遺体がきれい」の意味 初任科生が語った被災体験

奈良美里

 「つらさや苦しみを理解できる警察官になりたい」。東日本大震災の発生から11年7カ月となった11日、岩手県警察学校が開いた初任科生の被災地研修で、初任科生の1人で震災当時宮古市で小学1年生だった坂本愛里巡査(19)が自身の体験を同期生に語った。

 坂本さんの家は、高台にあり津波の被害をまぬがれたが、数日後、伯父と伯母が亡くなったと聞かされた。遺体が見つかり、会いに行ったが、家族に建物の外で待っているように言われたという。弟と待っていると家族が「きれいだったね」と泣きながら戻ってきた。「その時は、遺体がきれい、とはどういう意味だろうと思っていました」

 警察学校に入ってはじめてその意味がわかった。警察官が遺体についた泥や砂を洗ってきれいにしてから家族の元にかえしていたことを知った。

 被害者の一番近くに寄りそう存在として、つらさや苦しみを理解できる警察官になれるように。「震災を経験した一人の警察官としても、記憶を風化させないよう若い世代に伝えていきたい」

 研修には坂本さんを含む今年4月に警察学校に入校した初任科生28人が参加。宮古市で市職員から震災当時の状況について聞いた後、三陸鉄道の震災学習列車に乗り込んで沿岸地域をまわった。(奈良美里)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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