護衛艦内で隊員自殺「パワハラや長時間労働が原因」 両親が国を提訴

 海上自衛隊護衛艦「あけぼの」の乗組員だった海士長の西山大弥さん(当時20)が自殺したのは、上司のパワーハラスメント長時間労働が原因だとして、西山さんの両親が国に約7800万円の損害賠償などを求める訴訟を起こした。

 長崎地裁佐世保支部(矢崎豊裁判長)で7日、第1回口頭弁論があり、国側は請求を棄却するよう求めた。

 西山さんは2019年に入隊。その年の10月から海自佐世保基地を母港とする護衛艦「あけぼの」の乗組員をしていたが、21年2月に護衛艦内で自殺した。

 訴状などによると、西山さんは19歳だった20年9月ごろ、複数の未成年の同僚らと飲酒。その後、上司から1人だけ反省ノートを書くよう「指導」を科されたり、上司が「真に反省した」などと評価できるまで船からの外出を認められない罰を約2カ月受けたりしたとしている。

 さらに、亡くなる前日、同僚の依頼で米軍基地内でファストフードを買って帰ったところ、上司から基地内の買い物が禁止されているなどとして激しく叱責(しっせき)されたという。原告側はこうした行為がパワハラにあたると主張している。

 西山さんの自殺をめぐっては昨年6月、海上自衛隊佐世保地方総監部が「公務災害」を認定。その後、遺族に対して、長時間の時間外労働が精神疾患の発症と自殺につながったとする説明があったという。

 原告側は、長時間労働の実態を明らかにするよう求めた上で、国側に長時間労働やパワハラを防止する義務があったのに、注意を怠ったと指摘している。

 閉廷後、西山さんの両親が代理人の弁護士と記者会見を開いた。父・賢二さん(48)は「息子がどうしてこういう風に亡くならないといけなかったのか。戻れるのであれば辞めていいよと言いたい」と語った。原告側の代理人弁護士は「時間外労働が長時間に及んだのもパワハラの結果であると考えており、自殺の真の原因はパワハラにあったと考えている」と主張した。

 防衛省は取材に「継続中の裁判については、今後の裁判に影響を与えかねないことから、お答えできない。関係機関と検討のうえ、適切に対応してまいります」とコメントした。(岡田真実)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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