豪華客車で令和の幕開けを(47NEWS)

 「3、2、1、カンパーイ」!令和への改元を迎えた5月1日未明、私と息子はJR西日本の豪華客車「サロンカーなにわ」のシャンデリアが輝く展望室で他の乗客と祝杯を挙げていた。

 天皇、皇后が乗り込む「お召し列車」としても使われた皇室に縁がある客車に揺られ、出雲大社に近い出雲市駅(島根県出雲市)へ夜汽車で向かうのは元号をまたぐのにうってつけの舞台だ。そんな故オードリー・ヘップバーンさん主演の映画「ティファニーで朝食を」ならぬ、「豪華客車で令和の幕開けを」という瞬間を迎えるまでの道は長かった。

 優れた鉄道旅行を毎年選ぶ賞「鉄旅オブザイヤー」の審査委員を務めている私は国内外の幅広い列車に乗ってきたが、寂しい懐具合を反映して“弱点”になっているのが豪華列車だ。

 中でも共同通信社の大阪支社経済部に在籍してJR西日本担当になった2000年以来、憧れを抱き続けていた列車の一つが緑を基調にした塗装にふさわしく、全客車がグリーン車の「サロンカーなにわ」だ。

 旧日本国有鉄道(国鉄)時代の1983年に14系客車を改造した列車は欧風の展望室を備え、「お召し列車に使われるため、セキュリティーのために防弾ガラスをはめ込んでいる」(JR西日本関係者)という特別な仕様だ。主に団体用列車で運用しているため乗車できる機会は限られ、貸し切り運転をするツアーは軒並み人気で旅行費用も値が張る。“高嶺の花”と受け止めて乗車を諦めていた。

 ところが、平成時代の最後、JR西日本の担当記者になった当時から実に19年後になってチャンスは巡ってきた。私が審査委員に就いた2013年度の鉄旅オブザイヤーのグランプリ受賞者、日本旅行西日本営業本部JR営業推進部の玉川淳氏らが「サロンカーなにわ」を貸し切った改元ツアーを実施するというのだ。大阪と出雲市の往復で参加料金は大人4万4千円と安くはないが、手が届く範囲だ。

 「子鉄」の息子に「この機会を逃すともう乗れないかもしれないよ」と水を向けると案の定興味を示したため、宿泊代を含めて10万円ほどの参加費を支払って申し込んだ。通常の座席で車中泊をすると伝えると「えっ、寝台車ではないの!?」と参加を拒否した妻を兵庫県の妻の実家に残し、息子と大阪駅へ向かった。


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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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