路面電車、次は自分が引っ張りたい 広電教習生は運転士の夢を乗せて

【動画】「だから私は運転士になる」第1部=遠藤真梨撮影

広島電鉄物語 第三部「だから私は運転士になる」①

 「皆さんは、年は違っても同じ教室で、同じ電車で学んできた同期。何かあれば相談し合ってこれからも成長していってもらいたい」

 昨年12月27日、路面電車の車両数と利用客数で全国最多を誇る広島電鉄(広島市)本社内の一室。

 濃緑色のブレザーの制服に身を固め、運転士の養成所長の話にじっと耳を傾ける一団がいた。昨年5月から半年以上の教習を終え、養成所の閉講式を迎えた教習生たちだ。

 路面電車の免許取得をめざす12人のなかに、土橋拓実(24)、山口紗奈(23)、宮川卓也(34)の神妙な顔があった。

実際の路線で電車を動かす技能講習で運転する山口紗奈。サイドミラーで慎重に後方を確認する=2021年8月31日、広島市、上田潤撮影

 3人はこれまで育ってきた環境や、路面電車の運転士という珍しい職種を目指す理由はそれぞれ異なる。しかし、同じ目標にまっすぐに向かってきた点やそのために費やしてきた時間は一緒だ。

 時に不安や孤独に心を揺さぶられつつも、何かに背中を押されるように、高みに一歩踏み出そうとして後戻りできないという状況にもがいてきた。

 路面電車の運転士という珍しい職業をなぜ、目指したのか。どんな思いでどんな講習を受け、自分の夢に近づくことはできたのか。

 広島電鉄企画の第3部では路面電車の運転士をめざす3人の教習生の姿を追った。(敬称略)

■「かっこいい運転士になる」…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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