軽石で港湾復旧に10億円 沖縄県が見通し 1570隻が漁自粛

国吉美香

 大量の軽石が沖縄県などの海岸に漂着している問題で、沖縄県は17日、港湾の復旧にかかる費用が約10億円に上る見通しを発表した。16日時点の速報値で、軽石の漂着が収まっていないことから、今後さらに増える見込みという。

 17日にあった県の対策会議で明らかにされた。県内では11の港湾で軽石の漂着が確認され、除去作業に10億1200万円がかかる見通しという。会議では、県内の登録漁船の約半数にあたる1570隻が漁を自粛していることや、軽石によるエンジントラブルが漁船105隻で確認されていることも報告された。

 ほかにも80件以上のダイビングの予約がキャンセルになり、結婚式の写真撮影や修学旅行の場所の変更といった影響も出ている。

 一方、県は複数の地点の軽石を分析した結果、有害物質は国の定める環境基準値を下回っており、安全性に問題はないと公表した。今後、公共工事などで活用できないか検討するという。

 沖縄では本島北部で初めて漂着が確認された10月以降、軽石が広範囲で確認されている。

 17日に県庁を訪れ、玉城デニー知事と面談した務台俊介・環境副大臣は「環境省も全力をあげて、景観が損なわれている状況を早期に解決するために支援したい」とコメント。玉城知事も「まったく経験のない押し寄せる自然災害」と被害の深刻さを伝え、引き続き国からの支援を求めた。(国吉美香)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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