道路灯電気代返せと大阪府が提訴 関電は反論「撤去知るすべない」

松浦祥子

 道路照明灯を撤去したのに電気代を支払わされ続けてきたのは不当だとして、大阪府関西電力に約6600万円の返還を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9日、大阪地裁であった。関電側は「府から通知がなければ、撤去を知るすべがない」などとして請求を棄却するよう求めた。

 府は2020年、府が管理する国道で照明灯が倒壊したことを受け、府内約2千基の緊急点検を行ったところ、すでに照明灯を撤去したのに、電気代を払い続けていたことが判明した。

 訴状によると、府側は照明灯の撤去によって計246件の利用契約が廃止されているとし、1975~2022年の支払い分の返還を求めている。照明灯を撤去する際、府の代わりに、工事の請負業者が関電に利用契約の廃止を通知する運用になっているとし「関電は契約廃止を確認できた。既に撤去した照明灯の電気代は不当利得にあたる」と主張する。

 一方、関電は、照明灯の利用契約は定額制で、一般家庭のような検針を行わないと説明。「府からの通知がなければ撤去を知るすべがなく、電気が使用されていない認識はなかった」と反論した。

 この日の弁論では、関電側が「撤去した業者が関電に通知した証拠はあるのか」と質問。府側が「現状これ以上の証拠はない」と答える場面もあった。

 府は朝日新聞の取材に対し、通知の記録は残っていないが、問題発覚後に聞き取り調査をしたところ、撤去した業者の一部から「関電に電話で知らせた」という回答があったと説明した。

 同様の問題は大阪市でも判明し、市は2月の市議会定例会で、訴訟を起こすとした議案を可決した。91~22年までに支払った計約5400万円の返還を求める方針。(松浦祥子)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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