遺体に争った形跡なし すすきのの首切断事件、無防備で襲われたか

 札幌市の繁華街・すすきののホテルの一室で2日、頭部のない男性の遺体が見つかった事件で、遺体には争った形跡がなかったことが捜査関係者への取材でわかった。北海道警は、現場の部屋から1人で立ち去った人物の行方を追っている。

 捜査関係者によると、男性の致命傷は体への刺し傷で、死後に首を切断されたとみられる。抵抗した場合にできる「防御創」はなかったという。血痕は浴室内に集中していたといい、男性が浴室で無防備な状態で不意に襲われ、殺害された可能性があるという。

 4日には、自宅から男性が運転してきたとみられる自家用車が札幌市内の有料駐車場で見つかった。男性は車をとめた後、ホテルに同行した人物と待ち合わせ、1日深夜に2人で入室。約3時間後、同行した人物が1人でホテルを出ていく様子が防犯カメラに映っていた。

 亡くなった男性は、会社員の浦仁志さん(62)。3日夜に、親族が警察署を訪れて行方不明者届を出していた。家族には行き先を告げていなかったという。

 近所に住む女性(79)はかつて、町内会の役員として会費の集金やごみの管理をしていた浦さんの姿を覚えている。嫌がる人もいる中「まじめにやってくれていた」と振り返る。

 元同僚の男性(82)は、内装建材の製造会社で10年以上ともに働いたという。職場は3交代制で、交代する際に数分間の会話を重ねた。機械の調子などを尋ねてきた様子が印象に残っているという。「ちゃんとした人だった」と話した。

 退職後も町内の集まりなどで顔を合わせていた。ニュースには驚いたが、被害者が知人とは思ってもみなかったという。「どうしてこんなことになってしまったのか」と声を落とした。(新谷千布美、古畑航希)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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