那覇の市街地にオスプレイ、米軍訓練の意図は 県と政府で見解にずれ

 那覇市国際通りから約1・2キロにある米軍基地「那覇軍港」で、オスプレイなども使った6日間にわたる訓練が始まっている。人道支援非戦闘員避難を目的とするが、同軍港での実施は初めてだ。新たな負担の懸念から地元自治体は訓練中止を求めるが、日本政府は米側への申し入れはしないという。何が起きているのか。(藤原慎一、国吉美香)

海側から現れた機体、遮られた会話

 9日午後。片側2車線の国道332号沿いは車が行き交い、散歩やジョギングをする人の姿もある。歩道沿いに、民間地域と米軍基地を隔てる有刺鉄線のフェンスが続く。

 周囲との会話が遮られたのは午後2時55分。海側から現れたオスプレイが轟音(ごうおん)とともに軍港内に着陸した。歩道から約100メートル先。風圧こそないが、音の圧迫感に一瞬、腰がひけた。

 1時間後にも再びオスプレイが同じ地点に飛来。機体からは銃を担いだ約20人の兵士が降り、施設内に入った。フェンスごしにスマホで撮影していた男性は、仕事で熊本から来て、市中心部に向かって車を走らせていたが、地響きに驚いて停車させたという。「テレビで見たことはありましたが、こんなにうるさいんですね」

 米軍は「9日から訓練を開始」「早朝や夜間にも」と取材に回答している。9日の日中は、有刺鉄線を張り巡らせた2階建ての建物の周りで、銃を肩にかけた十数人の兵士と、民間人の服装で「GO HOME」などと書かれたプラカードを手にした群衆役とみられる約10人が対峙(たいじ)していた。

 散歩中だった近くに住む無職男性(71)は取材に「中国の動きを考えると訓練をするのは仕方がないが、万が一を考えるととてもこわい」と話した。

 今回の訓練について、沖縄県

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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