野外フェス「酒提供も可能」に県反論 第三者委設置へ

 新型コロナウイルス対策が不十分な野外音楽フェスティバルが中部空港島の愛知県国際展示場(同県常滑市)で開かれた問題で31日、大村秀章知事は弁護士らでつくる第三者委員会を設置すると表明した。経緯の検証と特別措置法改正の提言も視野に入れる。

 大村氏は、「業者にガイドラインを守ると言われたら、いま法制度上、県は何もできない。それでは感染症を抑え込めない。新たな視点での方策が必要だ」との考えを示した。

 県は緊急事態宣言下で、大声をあげる可能性があるイベントは「5人以内の同一グループの間は1メートル以上空ける」と求め、イベント一般に「観客は5千人以下かつ定員の50%以下」「酒類提供自粛」を要請している。ただ「強制力がないお願い」(県担当者)だ。

 県が今回問題視するのは、観客の密集状態と酒類提供だが、イベント主催者が要請に従っても「協力金」などを支払う仕組みは県になく、発生する損失への補償もないとしている。

 またこの日、大村氏はイベント主催者側の説明が「事実をねじ曲げるもので、到底看過できない」として記者会見し抗議した。

 主催者側が前日ホームページ上で公表した「お詫びと経緯のご説明」で、「過度な飲酒でなければお酒の提供も可能という状態で愛知県から話を頂き」との記述について、県は「そう説明した事実はない。自粛を再三要請した」と反論。チケット販売の終了を求めた時期も食い違っている。

 県は主催者側に電話とメールを送っているが、連絡はないという。

 この音楽フェスをめぐっては、今後の感染拡大が懸念されるとして名古屋市が31日、フェスに参加した市内の在住・在学・在勤者が希望すればPCR検査キットを送り、無料で検査を受けられるようにすると発表した。早ければ9月1日にも申し込み専用フォームをつくり、受け付けを始める。市は、フェス参加者に日中の不要不急の外出自粛を求める。

 県も同様に希望者が検査を受けられるようにする方針だ。(小林圭)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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