銀座「花売り娘」の最後の一人の自伝が本に 名物クラブママら交流も

森下香枝

 終戦直後の混乱期に東京の街角に立って花を売った少女たちを歌い、ヒットした「東京の花売娘」。約70年前から銀座の街角で花束を売り、その最後の一人としていまも商売を続ける木村義恵(よしえ)さん(81)の自伝が、本になった。

 出版のきっかけは、昨年10月に朝日新聞が掲載した、木村さんについての記事だった。木村さんをよく知る出版社社長が読み、「銀座の花売り一筋でやってきた。本を出したい」と発案したという。

 木村さんは半信半疑だったが、後日、その出版社が出した、様々な業界の「匠(たくみ)」を扱うシリーズの第1弾の本が見本として自宅に届いた。木村さんの自伝は第2弾として企画され、「12歳の時から始め、今では私が最後になってしまった『花売り娘』のこと、そして銀座の歴史を、本に残したいと思うようになった」と木村さん。

 提案を受け、自伝をつづった。麻布で生まれ、浅草で育ったという生い立ち。銀座の街の歴史や、芸能人、名物クラブのママたちとの思い出などを記した。

 発案した社長は今年1月に死去。ただ本は5月に「シリーズ匠は語る 銀座花売り娘 81歳、最後の一人」(小林小屋刊)として出版された。四六判で216ページ。税込み2200円。詳細は同社のホームページ(https://kobakoya.jp)で。(森下香枝)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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