長野の雪崩、外国人ら巻き込まれる 一部下山、意識不明2人は山中に

 29日午後2時半ごろ、長野県小谷(おたり)村の白馬乗鞍岳天狗原東側の斜面(標高約2100メートル)で雪崩が発生した、と県警大町署に通報があった。外国人らが複数人巻き込まれ、一部の人は下山したが、現場に残された男性2人が意識不明という。同署で詳しい状況を調べている。

 同署によると、現場は小谷村の栂池(つがいけ)高原スキー場のコースから山頂側へ向かった先にある。ゲレンデから外れ、斜面が整備されていない「バックカントリー」をスキーやスノーボードで滑る客が多い場所だ。

 通報は、バックカントリーを楽しむために訪れていた外国人客が観光関係者を通じて寄せたという。現地を訪れていた別の外国人のグループ客が雪崩に巻き込まれるのを目撃した、との内容だった。

 大町署は救助隊を現地に向かわせ、情報を収集している。30日早朝から捜索活動を本格化させる予定だ。

 同署によると、29日夜には目撃者らを含む十数人がゲレンデへ下山した。うち3人は雪崩に巻き込まれた人で、オーストリアの20代男性が肩の痛みを訴え病院に運ばれた。他の2人は米国の40代男性とドイツの30代女性だという。

 また、同署が下山した人から話を聴いたところでは、現場には米国人とオーストリア人とみられる男性2人が残されており、意識がないという。

 気象庁によると、小谷村では27日夕から「なだれ注意報」が出されていた。27日夜には「大雪警報」も発令され、28日朝にかけて一晩で約40センチの積雪があった。古い積雪の上に降り積もった新雪部分が滑り落ちる「表層雪崩」が発生しやすい状況だったという。29日午後7時現在の小谷村の積雪は103センチに達している。気象庁は「今後も雪が降りやすく、雪崩も起きやすい状況が続く」として注意を呼びかけている。

 現場がある白馬一帯は良好な雪質や北アルプスを見渡せる絶景などから、バックカントリーを楽しむ人が国内外から数多く訪れている。栂池高原スキー場のゴンドラリフトを運営する会社によると、標高1582メートル地点まで運行しているゴンドラを利用して、バックカントリーへ入る客が多いという。

 長野県内では、28日にも野沢温泉村の野沢温泉スキー場外のバックカントリーで、雪崩に巻き込まれたとみられる新潟県魚沼市の男性(38)が行方不明になっている。警察や消防などが29日朝から捜索したが、見つかっていない。

■「複数人が巻き込まれたと聞…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment