院内で死んだ弟の目にはあざが 姉「治療、適切だったか」 滝山病院

 東京都八王子市の精神科「滝山病院」で2月、看護師の男が入院患者への暴行容疑で警視庁に逮捕され、同病院は捜索を受けた。

 JR八王子駅から北西に6キロほど。郊外の住宅街を抜け、車1台がようやく通れる細い坂道をのぼった先に、滝山病院はある。

 民間信用調査会社などによると、開業は1970年代。入院病棟が立ち並ぶ敷地の裏手には、雑木林が広がる。

 静岡県に住む女性(58)は2017年12月、滝山病院に入院中だった弟を亡くした。49歳だった。

 小学校のころから周囲となじめず、いじめにあった。知的障害と診断され、統合失調症と糖尿病を患った。通信制の高校に通い、就労支援施設などで働いたが続かず、30代で自宅にひきこもる状態になった。横浜市内の団地で、透析治療を続けながら母と2人で暮らしていた。

 「自分の気持ちをうまく言葉にできない子だった」と女性は振り返る。

 14年のある日、弟が自宅で大声を出して暴れ、近所の人が110番通報した。透析の施設がある滝山病院への入院が決まった。

 当初は母が面会に通っていた…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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