陸軍将校の日本刀、80年ぶり帰郷 元米兵の孫、返還までの東奔西走

 この夏、一振りの刀がほぼ80年ぶりに宮崎県に帰ってきた。「志賀関」の呼び名を持つ日本刀。太平洋戦争に出征した陸軍将校とともに宮崎を離れ、中国、韓国、沖縄を経て終戦後に米国へ。巡り巡って刀を手にした元米兵の「私の存命中に日本へ」という願いを受け、孫が東奔西走して「里帰り」をかなえた。

 この日本刀は、宮崎県高原町の梅木家で先祖伝来の家宝として大切にされていた。陸軍将校だった梅木留助さんが外地へ配属される際に携え、1941年ごろに高原町を旅立った。梅木さんは中国大陸から韓国へ移動し、済州島で終戦を迎えた。刀はそこで米軍に没収されたという。

 その刀を手にしたのが現在、米国・シカゴに住む元米兵のジョセフ・カーサーさん(99)。カーサーさんは終戦直後の1945年、沖縄本島の海岸で、日本軍の武器が積み上げられた中から刀を見つけた。くくりつけられた木札を読んで、「由緒あるものでは」と思い米国に持ち帰った。

 木札には、こんなことが英語で書かれていた。

 「お願いがあります。どうぞ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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