飲食店内でふらついていた男は車に 見かけた客は駐車場で待った

鈴木優香

 3月の昼下がり。福岡県うきは市の会社員田辺精次郎さん(61)は家族3人で飲食店に入った。同じ頃、高齢の男が入店し、田辺さんたちの斜め前に座った。ふらふらとして、足元もおぼつかない様子だった。

 「ちょっとおかしい。待ってみよう」

 食事を終えて店を出た田辺さんは家族にそう話し、駐車場の車内で男の様子を見守ることにした。すると、店から出てきた男は、ふらつきながら車に乗り込み、エンジンをかけた。

 田辺さんは福岡県警うきは署に連絡し、車のナンバーや色、車体が傷だらけで粘着テープが貼られている特徴を伝えた。

 付近にパトカーが急行し、追跡した署員が確認した結果、男は酒を飲んでいたことが判明。道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で検挙された。アルコール検査では基準値の3倍以上の量が検知されたという。

 一連の行動について「ラジオで『通報は県民の義務』と聞くし、昨年の免許更新の時も『義務ですよ』と言われていた」と振り返った田辺さんは今月19日、署から感謝状を贈呈され、笑顔を見せた。

 「犯罪を最小限で食い止められてよかった」(鈴木優香)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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