馳知事発言、自民からも苦言「ぽろぽろ機密しゃべっちゃいかん」

土井良典

 石川県馳浩知事が、東京五輪の誘致をめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)の委員に対し、内閣官房報償費機密費)で贈答品を渡したという発言をした問題。18日に金沢市で取材に応じた知事は「事実誤認があった」としながらも、具体的な言及は避け、同じ回答を繰り返した。普段、遠慮ない「馳節」は影をひそめた。

 発言は17日に東京都内の講演であり、それが報じられると、同日夜に「誤解を与えかねない不適切な発言だった」と発言を全面撤回する談話が出された。

 18日の取材は、同日の国会議員との県政懇談会の後に、質疑の時間を設けるとの連絡が知事サイドから報道各社にあった。しかし、五輪招致にかかることや発言を撤回したことを理由に、発言の真意に踏み込むことはなかった。

 馳知事は自らが開く毎週の随時会見で、「不規則発言が多い」と自虐を言いながらも、質問には時間をかけて自分の言葉で話すが、今回の発言は、火種が自身だけでなく、国会でも問題になりかねず、政権に「飛び火」する可能性もある。そのためか、この日は守りに終始した。

 今回の発言については、県政懇談会でも取り上げられ、自民党の佐々木紀衆議院議員は「石川県を代表されているわけで、十分注意してご発言、行動してほしい」と苦言を呈した。今年の正月にプロレス興業に参加したことも踏まえ、知事の立場を考えて行動することを求めた。

 自民党のあるベテラン県議は、「事実誤認って言っても、そんな国家機密にかかわることを間違えるわけがない。誤認ならどこが誤認なのかを話すべき」としたうえで、「(知事は)少しやっぱり発言が軽すぎる。プロレスラーだから、みなさんから親しみを受けるためにパフォーマンスもいいかもわからんが、もう完全なる公人なんだから。ぽろぽろ機密をしゃべっちゃいかんわね」と語った。(土井良典)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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