高圧的な指導は武勇伝?放置すべきでない「教室マルトリートメント」

 教育現場では体罰をしてはならないという認識は広がったが、教員による体罰や不適切な指導は後を絶たない。教育現場にどのような問題があり、先生たちは何を変えれば良いのか。子どもの心を傷つける「適切ではない指導」について、解説や予防策を著書で示した東京都特別支援学校主任教諭の川上康則さん(48)に聞いた。

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 体罰のように処罰される行為まではいかないけれど「適切ではない指導」があります。こうしたグレーゾーンは言語化されてきませんでした。私は今年出版した著書で「教室マルトリートメント」と名付けました。「マルトリートメント」とは英語で「不適切なかかわり」という意味です。

 例えば、職員室内で子どもをからかうような話をするとか、高圧的な指導を武勇伝のように語るとかもそうです。これらは放置されていると、確実にエスカレートします。だから、体罰だけを論じるのではなく、もっと前の段階で対応するべきことはたくさんあったはずで、そこを見るべきです。

 「何度言ったら分かるの」

 「今度やったらこうだぞ」

 こうした、詰問や脅しによる「指導」も適切ではありません。

 決してNGワード集を作りたいのではありません。こうした言葉を使う背景に、教師が日々感じている「早く解決したい」という焦りや、周囲から「何とかしろよ」と見られているのではないかという不安があるはずなのです。

 焦りや不安を一緒に解決して…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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