高校生が考えた「図書館で不登校を防ぐ」 教室は息苦しいときもある

 神奈川県藤沢市の湘南工科大学付属高校に6月、新たな図書館が誕生した。

 気鋭の建築家が手がけた斬新なデザインとともに注目を集めていることがある。

 それは「図書館で不登校を防ぎたい」というコンセプト。考えたのは、2人の生徒たちだ。

まとめ役は生徒の代表「図書館大使」

 正門の目の前に新築された3階建ての図書館。壁と柱が一体となって構造を支える「壁柱(かべばしら)」がランダムに並び、大小の空間が軒下やテラスを抜けて外へとつながる、おもちゃ箱のような外観だ。

 建物内部も完全に仕切られずに緩やかにつながり、図書館と教室、カフェやイベントスペースが見え隠れしながら混在する。

 愛称は「HABITAT(生息地)」。壁沿いやテラスなどに椅子やソファが配置されている。「利用者一人ひとりが自分の好きな場所を見つけてリラックスしてほしい」という願いからだ。

 設計にあたったのは、東京大学総合図書館などの建築で注目される川添善行・東大准教授らのチーム。それに影響を与えたのが、2019年に発足し、4年間にわたり議論を重ねた生徒や教員、デザイナーや建築家らでつくる新図書館のプロジェクトチームだった。

 建築チームから加わった安仁屋(あにや)宗太さん(43)によると、老朽化した図書館を建て直すにあたって、実際の利用者である生徒や先生とじかに対話したいと提案したところ、公募に手を挙げた数十人の生徒と先生が参加した。そこでまとめ役を担ったのが生徒の代表「図書館大使」だった。

「他人と比べられない場がほしい」理由

 1年生の秋から2代目・図書…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment