髭と脱毛はライバルなのか 髭男爵・山田ルイ53世の考える「毛」

 ネットや電車、街中の看板。いたるところで美容脱毛の広告を目にします。最近では男性にも浸透しつつあるようです。ひげ、すね毛、わき毛。「体毛」とは私たちにとってどのような存在なのでしょうか。ひげがトレードマークになっている漫才コンビ「髭(ひげ)男爵」の山田ルイ53世さんに聞きました。

山田ルイ53世

 1975年生まれ。99年に結成したお笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当。著書に「ヒキコモリ漂流記」「一発屋芸人列伝」など。

 ――美容脱毛をする男性が増えています。

 「少し前にロケバスに乗っていると、脱毛サロンに定点カメラを置いて取材しましたよというドキュメンタリー番組が流れていました。ちょうどテレビの前の席に座っていたのですが『髭男爵』としては、延々と自分が否定されているようで、複雑。気まずかったですね」

ぼくもすね毛くらいならそったことがある

 ――なぜ脱毛するのだと思いますか。

 「色々な理由があると思います。客商売なので清潔感をアピールしたいとか、単純に毎日の手入れが面倒だという人もいる。一方で肌が弱いので。ひげをそっていると荒れてしまって痛い。脱毛すればその苦しみを緩和できる、解放されるといった切実な事情もあるみたいですね」

 「男性の場合、モテたいというのもあるでしょう。今の時代、『モテる人はこういう人』というひな型にお肌がツルツルの人が多いのでは。K-POPスターであるとか、『美容男子』のような。自分もああいう風になりたいという憧れもあるでしょうね。ぼくも大学に通っていた頃、すね毛くらいならそったことがありますし」

 ――ひげや体毛にはどのようなイメージがありますか。

 「ひげは過去の偉人が生やしている印象が強い。権威や地位、そういう『俺、偉いよ!』とアピールする道具になっていた可能性はあると思います。体毛全般で言えば毛を蓄えることが洋の東西を問わず、『男たるものこうあるべきだ!』式のマッチョな思考に基づいた行為だったのかもしれませんね」

「なにしてんねんおまえ汚いな」 

 ――ご自身がひげを生やしたきっかけは。

 「お笑い界に入ったばかりの…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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