鹿児島・佐賀で計2人死亡、宮崎で4人不明 台風10号

 強い勢力を保ったまま6~7日に九州の西側を北上した台風10号は、各地に大きな被害をもたらした。鹿児島県阿久根市の70代の女性と、佐賀県鹿島市の50代男性が死亡。宮崎県椎葉(しいば)村では土砂崩れで4人が安否不明になっている。九州・山口各県によると7日午後10時現在、計82人が重軽傷を負った。気象庁が「最大級の警戒」を呼びかけるなか、九州、中国、四国では20万人以上が避難した。

 鹿児島県警や阿久根市などによると、死亡した女性は6日午前、側溝で頭から血を流して倒れているのが見つかった。知人宅に避難しようとしていたという。佐賀県によると、死亡した男性は6日夕に屋根で作業中に転落したという。

 椎葉村では7日午前1時10分までの48時間に観測史上最多となる476・5ミリの雨量を観測。村によると6日午後8時すぎ、村内の建設会社と住居が土砂に押し流された。70代の社長の男性は自力で脱出したが、60代の妻と30代の息子、20代のベトナム人技能実習生の男性2人の計4人の安否がわかっていない。

 避難指示・勧告が出された九州と中国、四国地方に設けられた避難所には、約22万人が身を寄せた。九州では長崎県で約5万人、福岡県で約4万6千人、熊本県で約4万1千人。四国でも愛媛県で845人、高知県で598人が避難した。

 九州電力によると、停電は九州全県に及び、7日午前6時に最大約47万5910戸が停電した。中国電力によると午前10時時点で、山口県を中心に最大約6万9720戸が停電した。7日午後7時時点でも、九州電力で約15万700戸、中国電力で約1万5320戸が停電している。

 台風10号は7日午後、朝鮮半島から日本海を北上した。8日午前には中国・東北地方で温帯低気圧に変わる見通し。気象庁によると、関東甲信と東海の太平洋側では、台風の影響で暖かく湿った南風が流れ込み、8日も激しい雨が降るところがあるという。

 8日午後6時までの24時間降水量は多いところで、東海150ミリ、関東甲信100ミリの見込み。また、広い範囲で気温の上昇が予想されている。北海道や東北、北陸、近畿、中国、四国で猛暑日になるところがあり、気象庁は高温注意情報を発表している。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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