黄金の茶道具、3億円で落札 秀吉ゆかり?主催者「真贋保証しない」

 伯爵家に伝わってきた、黄金の茶道具一式が27日、東京都内で開かれたオークションで3億円で落札された。落札者は茨城県筑西市にある廣澤美術館。担当者は「歴史的な作品なので、町おこしの目玉にしたい」と話した。この茶道具一式は、豊臣秀吉(1537~98)にゆかりがあるという説もあるが、主催のシンワオークションは事前に「真贋(しんがん)の保証はしない」としていた。

 「金茶道具一式」が登場したのはこの日のオークションの最後。午後6時過ぎ、緊張感が漂う中、1億2千万円から始まり、入札する人の札が上がる。ファクスなど書面で事前に申し込んだ人や電話での参加者もいる。500万円刻み、そして1千万円刻みで値段がどんどん上がっていく。最後は電話と会場の参加者との2組での競り合いに。値段は2億円を超え、2億8千万円、2億9千万円……3億円に達した。「3億です」「ほか、よろしいでしょうか」

 競売人はしばらく間を置き、「ないようでしたら、これで落札します。3億円、3億円」。そして会場に拍手が響いた。

 この金茶道具一式は茶わんや茶を入れる容器のほか、湯を沸かす釜、火を入れる風炉など、計10点からなる。制作時期や作者は不明だが、1929年に開かれた展覧会に出品された記録が残っている。当時は藤堂高紹(たかつぐ)伯爵(1884~1943)が所蔵していた。戦時中に行われた調査によれば、金と銀の合金製で、金の含有率は80~88%だという。

 茶道具は、茶の湯と政治が結びついた秀吉の治世以降、その奥義を伝える格式高い道具になったとされる。中でも金製の茶道具は最上級のものだ。秀吉が「黄金の茶室」で愛用したという説があり、「築城の名手」として名高い戦国武将で、後に伊勢国津藩の初代藩主となる藤堂高虎(1556~1630)に対し、ほうびとして授けたとする逸話も残る。

 というのも、国内統一を果た…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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