IR汚職、首相は記者団に答えず 政権発足7年に沈滞ムード(産経新聞)

 衆院議員の秋元司容疑者(48)=東京15区=が収賄容疑で逮捕された汚職事件は与野党の明暗を分け、安倍晋三首相は26日、平成24年12月の第2次政権の発足から7年を迎えたが、政権内に晴れやかさはなく沈滞ムードが漂う。一方、野党は「安倍1強」の潮目が変わりつつあるとみて追及を本格化させた。

 「これからも初心を忘れずにしっかりとやっていきたい」。首相は26日午前、官邸に入った際、第2次政権発足7年の感想を記者団に問われ、こう答えた。ただ、秋元容疑者の逮捕に関する質問には応じず、無言で去った。

 菅義偉官房長官は記者会見で「内閣府副大臣だった時期における収賄の疑いで逮捕されたことは大変残念だ」と述べたが、捜査中を理由に詳細なコメントは避けた。カジノを含むIR(統合型リゾート施設)の整備に与える影響については「IR実施法などに基づいて慎重な準備は進めていきたい」と語り、整備方針に変更はないと強調した。

 一方、意気が上がるのは野党だ。立憲民主や国民民主、共産など主要野党は26日、内閣官房の担当者らを国会内に呼び、報道陣の前で聴取した。出席議員からは「真相解明に協力しないのか」「かばっている」などと厳しい指摘が相次いだ。

 立民の枝野幸男代表は記者会見で「カジノは反社会的勢力の悪用も含めて、やるべきではないと言ってきた。法制定のプロセスから進めていた人間が反社会的勢力だった」とカジノ推進派を「反社会勢力」と位置づけて糾弾。さらに「カジノそのものの正当性が根底から覆った問題として、年明け以降もしっかりと(追及を)やっていきたい」と意気込んだ。

 事件をめぐっては、自民党の白須賀貴樹衆院議員、勝沼栄明(しげあき)前衆院議員の地元事務所にも家宅捜索が入り、広がりを見せている。立民の安住淳国対委員長は記者団に「これまでにない異様なことだ。単に秋元容疑者が逮捕された事件ではなく、疑獄に近い形になってきた。相当の態勢を組んで本格的な追及を始めていきたい」と述べた。

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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