1丁目が消えた町 2丁目守った和菓子屋が慕う大男の話

 その町には、2丁目があるのに、1丁目がない。

 福岡県春日市の「伯玄町(はくげんちょう)」。地図にも、町名一覧にも、「伯玄町2丁目」はあるのに、「伯玄町1丁目」はない。

拡大する伯玄町交差点は伯玄町にはなく、光町と若葉台西の間にある=福岡県春日市

 その理由を調べると、大男「はっけんさん」の存在が浮かび上がった。

 伯玄町1丁目はどこにいったのか。春日市議会の議事録をみると、見つかった。

九州には各地に巨人の伝説が残っています。ポッドキャストでは、真野啓太記者がその「あしあと」をたどった軌跡について話します。

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連載「巨人のあしあと」
疫病、天災、飢饉。抑圧、支配。どうにもできない「力」と出くわしたとき、人はどう向き合ってきたのでしょうか。「力」の権化・巨人の伝説が語り継がれている土地を訪ね、考えました。

 伯玄町1丁目はおよそ40年前、「若葉台西」に改名していた。春日市は博多に電車一本でいけるベッドタウン。「人口増に伴う無秩序な宅地開発による地番の混乱、行政地区間の人口、面積の格差の解消」を目的に、行政が町名を「整備」していた。

 1丁目がなくなったあと、2丁目もなくなりそうになった。だが住民には、町の名前を変えたくない理由があった。

 「伯玄」という名前は、地元に…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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