1歳の三男衰弱死、母親に懲役12年求刑 弁護側「育児困難」訴える

 福岡県田川市で2018年、重度の低栄養状態だった1歳4カ月の三男に必要な治療を受けさせず死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の無職常慶(じょうけい)藍被告(27)の裁判員裁判論告求刑公判が7日、福岡地裁(溝国禎久裁判長)であった。検察側は「不保護の態様は悪質で残虐だ」と懲役12年を求刑し、弁護側は「故意はなかった」と無罪を主張して結審した。判決は3月11日。

 起訴状によると、常慶被告は夫の雅則被告(26)=保護責任者遺棄致死と傷害の罪で起訴=とともに、18年10月下旬に三男唯雅(ゆいが)ちゃんが重度の低栄養状態に陥り、11月には腕や足、あばらの骨が折れるなどして肺感染症を発症していたのに病院に連れて行くなどせず、12月1日に急性呼吸不全で死亡させたとされる。

 検察側は論告で、唯雅ちゃんは肋骨(ろっこつ)が浮き出るほど極度にやせ細り、雅則被告からエアソフトガンで撃たれてできた傷が全身に70カ所以上あったなどとし、「異常な状態は目で見るなどして容易に気づくことができた」と指摘。「安全安心に成長できるはずの自宅で両親から助けてもらえず、むごいというほかない」と主張した。

 弁護側は、常慶被告は医師の鑑定で軽度の知的障害があり、特に目で見たものからの認識が苦手と診断され、育児に困難があったと指摘。「(唯雅ちゃんの異常に)『気づかなかった』という供述は自然で信用できる」と無罪を訴え、「福祉や医療の適切な支援からこぼれ落ちたことによる悲劇だ」とも反論した。

 論告求刑公判の最後で、常慶…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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