10年目、よみがえってきた母との思い出 18歳の誓い

 新型コロナウイルスの感染防止対策で一般の参列者の入場が制限され、がらんとしたホールに、高校3年生の声が響く。「家にはお母さんがそろえてくれた机や家具があります。家にはお母さんの思いがいっぱいあり、僕たちはその中で毎日を生きています。それだけで、安心します」

 福島県南相馬市の三浦光(ひかり)さん(18)は11日、市の追悼式で遺族代表として、母の浩美さん(当時36)への思いを語った。

 震災が起きたときは小学2年生だった。内陸部の学校は大きな揺れに襲われ、悲鳴が飛び交った。当時の記憶は、おぼろげだ。それでも、父の良幸さん(63)や3歳年上の兄と帰宅したとき、浩美さんの姿がなかったことは覚えている。

 浩美さんは曽祖父らを避難させ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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