2本指で歩く恐竜デイノニコサウルス、福井で足跡の化石発見 国内初

長屋護

 鳥類に近い肉食の小型恐竜、デイノニコサウルス類の足跡化石が、福井県勝山市北谷町白亜紀前期(約1億2千万年前)の地層、北谷層で見つかった。県立恐竜博物館(同市)が4日の日本古生物学会で発表した。

 同館によると、脚や歯、卵の化石は、石川、岐阜、兵庫、福岡、熊本の計5カ所で見つかっているが、足跡が見つかったのは初めて。海外では中国・四川で1994年に見つかり、その後、北半球の白亜紀の地層から発見されるようになった。

 この足跡化石の大きさは長さ8センチ、幅4・7センチで、2本の指が約20度開いている。全長は1・4~1・8メートルと推定している。

 同恐竜はティラノサウルスと同じ獣脚類。獣脚類の指は4本で、多くは3本の指を地面につけて移動するが、デイノニコサウルス類は、2本の指で移動しているのが特徴だ。今回の足跡も「V」字の形をしている。その速度も、中国で見つかった化石から人間の歩行とほぼ同じことも分かっている。

 化石は、1989年から続く発掘の中で、91年にみつかっていたが、その後の研究で今回の判明につながった。

 同館によると、県内で確認された恐竜の足跡化石は今回で12種類となった。一般公開は4月21日~5月14日に県産業会館(福井市)で開催される企画展で。(長屋護)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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