40年超放置の廃虚旅館、撤去に7千万円 持ち主分からず税金で負担

下地毅

 和歌山市は23日、長年放置されている雑賀崎の廃旅館を解体して除去する最終手続きにはいったと公告した。所有者が名乗りでなければ5月22日以降すみやかに着手する。所有者は分からなくなっているため7千万円の税金をつかうことになりそうだ。

 和歌山市空家対策課によると、問題の廃旅館は「太公望」。鉄筋コンクリート造り一部木造の3階建てで延べ床面積は937平方メートルある。昭和初期には営業していて、1975年ごろから使われなくなった。2013年からは関係する法人・個人の破産手続きがはじまった。その後に所有者が亡くなったり相続人が相続を放棄したりしたため、いまは「所有者を確知できない」状態にあるという。

 廃旅館は崖地にあって倒壊の危険があるほか、イタリア景勝地アマルフィに似ているということで売りだしている雑賀崎の風景の一角を占めていることから、まわりの住民は対応を長年もとめてきた。

 和歌山市は、所有者をつかんでいたときには適正管理依頼文書を繰りかえし送っていた。らちが明かないため、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の略式代執行をすることにした。これほど大規模な代執行は県内初だろうといい、費用の7千万円は国と和歌山市が4割ずつ、県がのこりの2割を負担する。所有者をつきとめて費用を回収するめどはたっていないため、尾花正啓市長は「いまのところ市が肩代わりするしかないかな」と話している。(下地毅)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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