5キロ先見える!雪と氷の世界、「足」となり「家」となる雪上車

 雪と氷の白い世界にオレンジ色の雪上車は映える。天気がいいと、5キロ以上離れた南極大陸を走る様子も肉眼で見える。車体に南極大陸とペンギンが描かれた大型車SM100は11トン。数週間から数カ月におよぶこともある大陸遠征では「足」となり、「家」となるだけに愛着を感じる。

 大氷原を走る姿は美しく格好いい。でも凸凹の雪面でガタゴト激しく揺れ、車内はエンジン音でうるさい。乗り心地より大事なのは耐寒性とパワーなのだ。大陸内陸の零下60度にも耐え、3トンのそりを7台ひっぱって走ることができる。

 越冬隊には毎次、メーカーの大原鉄工所(新潟県長岡市)出身の隊員がいる。61次隊は倉本大輝さんだ。2020年8月、大陸内陸への遠征を前に整備が忙しくなる時期、「手伝ってもらえるかな」と声をかけられ、うれしくなった。機械隊員の仕事は技術と力が勝負。どちらも足りない私が普段、役に立てることは少ないからだ。まずは掃除。ゴミ捨て、掃除機かけ、窓ガラスやミラーをみがく。

 「できそうなこと」を日に日…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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