5歳児餓死事件公判 被告の母親が見つめた母子を「支配した」ママ友

中山直樹

 福岡県篠栗町で2020年4月、三男の翔士郎ちゃん(当時5)を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の碇(いかり)利恵被告(40)の裁判員裁判が10日、福岡地裁であり、碇被告の生活を支配していたとされる「ママ友」の赤堀恵美子被告(49)=同罪などで起訴=が証人として出廷した。

 大きめのグレーのTシャツに黒いスウェットのズボンを着て入廷した赤堀被告。長く伸びた髪には白髪が目立った。裁判長から名前や年齢を聞かれると、小さな声で「赤堀恵美子、49歳です」と答えた。

 検察側が「碇被告と面識はありますか」と質問すると、「はい」と返答した。だがその後、質問が具体的な事件の内容に及ぶと、ほとんどの回答を拒否した。

 碇被告の弁護人や裁判員からは、「翔士郎ちゃんが亡くなったことは認識しているか」、「それについてどう感じているか」などと質問が相次いだが、赤堀被告は終始「これから私の裁判があるので、答えません」と繰り返した。

 証人台の左側に並ぶ弁護人の隣に座った碇被告は、赤堀被告をじっと見つめ、こうした対応に時折首をかしげた。赤堀被告は、碇被告に目を向けることはなかった。

 起訴状によると、碇被告は、自身の生活を実質的に支配していた赤堀被告と共謀し、19年8月ごろから三男の翔士郎ちゃんの食事の量や回数を制限し、20年4月18日に餓死させたとされる。今後、碇被告と分離して裁判が開かれる赤堀被告は、弁護人によると「支配はしていない」と共謀について否認しているという。(中山直樹)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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