73歳、百鬼夜行の研究で博士号 社会人入学から18年

 妖怪たちが練り歩く姿を描いた「百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)絵巻」の研究で、愛知県幸田町(こうたちょう)の名倉ミサ子さん(73)が博士号を取得した。2002年に愛知県立大の文学部(現・日本文化学部)に社会人入学してから18年。仕事や家事と両立しながら研究を続けてまとめた博士論文が評価された。

 9月30日、県立大の長久手キャンパス(同県長久手市)で卒業証書・学位記授与式が開かれ、博士(日本文化)の学位記を授与された。久冨木原玲(くふきはられい)学長(69)はあいさつで名倉さんに触れ、「50代半ばで大学での学びをスタートして成果を出したのは素晴らしい」と述べた。

 名倉さんは同県蒲郡(がまごおり)市出身。高校卒業を前に病気療養が続き、大学進学を断念した。家具工房などで働き、2人の娘に恵まれたが「やっぱり、もっと学びたいという思いがあった」という。書店で目にした本で県立大の社会人入試制度を知り、家族に内緒で受験。合格後、家族は驚きながらも応援してくれた。

 年の離れた学生たちとのキャンパスライフは「すっかり年のことを忘れておしゃべりして、同年代の気持ちで楽しんだ」。テキストに書かれた内容をうのみにせず、疑ってみる姿勢の大切さも学んだ。3年生の時、絵巻を主題にした授業で百鬼夜行絵巻が扱われ、「面白い絵だな」と興味を持ったのがきっかけで卒業論文のテーマにした。

 学部を卒業後、「もっと深く研…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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