96歳の管理人「4人の孤独死を見た」 震災28年、老いる復興住宅

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田添聖史 井岡諒 玉置太郎

 96歳になる大櫛(おおぐし)久子さんの一人暮らしの部屋には、同じ団地の住民から、しばしば電話がある。

 「お米ちょうだい」

 「ヘルパーが来たら、代わりに家の鍵を開けて」

 「救急車を呼んで」

 大櫛さんの住む神戸市営住宅は、阪神・淡路大震災の被災者向けの「復興住宅」だ。高層団地が立ち並ぶ地域にあり、約180世帯が暮らす。

 入居から23年。高齢者が増えた住宅で、大櫛さんは管理人を務めている。

 1995年1月17日の地震で、大櫛さんが住んでいた神戸市兵庫区マンションは倒壊。避難所、親族宅、仮設住宅を転々とした。99年、5回目の抽選で、東灘区の復興住宅を当てた。

 被災者の入居から2年ほどたっていたが、自治会はなく、敷地にゴミが散乱していた。

「このままでは本人がつぶれる」

 「安心して住める環境とちゃ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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