KADOKAWA元専務に有罪判決 スポンサー選定で賄賂 五輪汚職

 東京五輪パラリンピックをめぐる汚職事件で、大会組織委員会の元理事に対する贈賄罪に問われた出版大手「KADOKAWA」の元専務・芳原世幸被告(65)に対し、東京地裁(中尾佳久裁判長)は10日、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。

 5ルートで計15人が起訴された一連の事件で、判決が出るのは11人目。

 判決によると、芳原元専務は、同社の角川歴彦(つぐひこ)元会長(80)=同で起訴=や元五輪担当室長=同罪で有罪確定=と共謀し、2016~18年に大会組織委元理事の高橋治之被告(79)=受託収賄罪で起訴=に対し、大会スポンサーへの選定や、協賛金は3億8千万円以内に抑えることなどを依頼した。19年にスポンサーに決まると、元理事の知人=同=の会社に、コンサルタント料名目で21年までに計約6900万円の賄賂を送金した。

 公判で検察側は芳原元専務について、高橋元理事への謝礼という実態を隠すためにコンサル契約の締結を発案するなどしており、「角川元会長の意向の下、犯行のかじ取り役を担った」と指摘。五輪事業の責任者でありながら元会長らに違法行為をやめるよう進言せず、「規範意識は乏しい」と批判していた。

 弁護側は「角川元会長が強い意向を持つなか、(芳原元専務の)役割は受動的だった」として執行猶予を求めた。芳原元専務は「誇りある五輪大会に汚点を残したことを反省している」と述べていた。

 角川元会長は起訴内容を否認しており、公判日程は決まっていない。高橋元理事の初公判は12月14日に予定され、無罪を主張するとみられる。(横山輝)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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