共産党は4日、党本部で第8回中央委員会総会(8中総)を開き、来年の党大会で決定する現在の「2004年綱領」の一部改定案を示した。世界情勢について書かれた部分などが対象で、覇権を強める中国への批判を強め、米国糾弾を弱めたのが特徴だ。野党共闘を念頭に「現実路線」を打ち出した形だが、自衛隊の解消や日米安全保障条約の廃棄を記した部分は引き続き維持する方針だ。
改定案は中国に関する現行綱領の「社会主義をめざす新しい探求が開始され、人口が十三億を超える大きな地域での発展として、二一世紀の世界史の重要な流れの一つとなろうとしている」との記述を削除した。
その理由について、志位和夫委員長は「中国の動向に綱領の認識に関わるような、見過ごすことができない問題点があらわれてきた」と報告。具体的には「他の核保有大国と競争しつつ核兵器の近代化、増強を進めている」「東シナ海と南シナ海での覇権主義的行動も深刻化している」と述べた。
また、現行綱領の「アメリカが横暴をほしいままにする干渉と侵略(略)」という一文を削除。さらに、「アメリカの覇権主義的な世界支配を許さず(略)」を「どんな国であれ覇権主義的な干渉、戦争、抑圧、支配を許さず(略)」に書き改めた。
志位氏は「アメリカの軍事的覇権主義が突出した危険を持っていることは疑いないが、中露による覇権主義も台頭し、それぞれが覇権主義的な国際秩序の押しつけを図っている」と説明した。
綱領改定は平成16年以来となり、来年1月に開く党大会で正式決定する。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース