性犯罪やストーカー事件の被害者ら、起訴状で匿名に 法制審が答申

 性犯罪の被害者を保護するため、法制審議会は16日、被告に送られる起訴状で被害者の氏名を秘匿できるようにするなどの法整備を上川陽子法相に答申した。被害者の氏名や住所などを「個人特定事項」とし、性犯罪や児童買春・ポルノ事件を秘匿できる対象犯罪と明記する内容で、ストーカー事件や暴力団らの組織犯罪を想定した規定も盛り込んだ。 答申をもとに法務省は刑事訴訟法などの改正案をまとめ、来年の通常国会に提出する方針。 起訴状には被害者の氏名が通常記載されており、その謄本を被告に送る決まりがあるため、氏名を知られることで新たな被害に遭う恐れが指摘されてきた。昨年9月から法務省で検討が本格化し、上川法相が5月に諮問していた。 答申では、被告に送る起訴状…この記事は会員記事です。残り433文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

小田急線の乗客刺傷、容疑者を再逮捕へ 男性客への殺人未遂容疑

2021年9月17日 0時28分 東京都世田谷区内を走る小田急線の車内で乗客10人が重軽傷を負った刺傷事件で、警視庁は女性客2人への殺人未遂容疑で逮捕した無職対馬悠介容疑者(36)=川崎市多摩区=を、男性客に対する殺人未遂容疑で17日に再逮捕する方針を固めた。事件直前に万引きを繰り返したとして、窃盗容疑でも再逮捕する。捜査関係者への取材でわかった。 対馬容疑者は8月6日午後8時半ごろ、登戸(川崎市多摩区)―下北沢(東京都世田谷区)間を走行中の快速急行の車内で、30代の男性客を包丁で切りつけて殺害しようとした疑いがある。男性は右腕にけがを負った。この事件前に東京都新宿区や川崎市の店舗でお茶やビールを万引きした疑いもある。 対馬容疑者は事件の経緯について、新宿区の店で万引きをしようとして気付かれたことに不満を持ったと説明。「店に復讐(ふくしゅう)しようと思ったが、閉店していて、電車に切り替えた」といった供述をしているという。一方で「以前から大量に人を殺したかった」とも話しており、警視庁が動機の解明を進めている。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

京都・木津川で住宅火災 住民1人が軽傷、他の3人と連絡とれず

2021年9月17日 1時14分 16日午後9時40分ごろ、京都府木津川市相楽台7丁目の木造2階建て住宅から火が出ていると、近隣の住民から119番があった。府警木津署によると、午後10時45分に消防が鎮圧したが、この家に住む3人と連絡が取れなくなっているという。 同署によると現場の住宅は夫(71)と妻(66)、長男(38)、次男(35)の4人暮らしで、出火当時は全員が在宅していたという。このうち、夫婦と次男の計3人が逃げ遅れた可能性があるという。長男は軽傷を負って病院に運ばれた。同署は出火原因を調べるとともに、3人の行方を捜している。 現場は、近鉄京都線の高の原駅から東に約1キロメートルの住宅街。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

分裂抗争相手の山口組になぜ復帰 暴力団幹部らが明かす「内情」

2021年9月16日 19時30分 2015年に山口組から分裂した神戸山口組の中核組織だった山健組の組長らが、山口組に復帰することがわかった。 山健組は山口組の前組長の出身母体。山口組系の組幹部は「離脱した中で最大組織である名門・山健組が元のさやに戻ることになれば、山口組の一本化に向けた大きな転機だ。他の組が戻る動きも加速するだろう」とみる。 復帰する山健組組長の中田浩司被告は、2019年8月に山口組傘下の弘道会系組員が銃撃された事件の実行犯とみられ、殺人未遂罪などで起訴されている。 ただ山口組は、中田被告を「幹部」として受け入れる準備を進めているという。 山口組系の組幹部は「一本化を優先に考えれば、これまでの経緯も大きな障壁にならないだろう」と話す。山健組が復帰する理由については「親分(中田被告)が長期不在になるとみられる中、組員が余計なけんかをしないで済むほうがいいと考えたのだろう」と語った。 神戸山口組内では昨夏ごろ、内紛が表面化した。トップの井上邦雄組長が、中田被告を「除籍」したことが判明していた。 元山健組系組幹部は「独立した状態では資金源を確保し、組織を維持していくのが難しい。山口組から『手を出すな』と指示が出ていても、いつそれが変わるかわからないという不安もあった」と話す。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

国内で新たに5705人感染 前週の木曜日から45%減少

 新型コロナウイルスの国内感染者は16日、午後8時現在で新たに5705人が確認された。前週の木曜日(9日)と比べ、45%減った。死者は63人だった。15日時点の重症者は前日から91人減り、1743人となった。 東京都の新規感染者は831人で、前週の木曜の半数以下となり、前週の同じ曜日を25日連続で下回った。死者は24人で、1日の報告数としては、夏以降の「第5波」で最多だった。大阪府では858人の感染が確認され、死者は12人だった。 沖縄県では新たに229人の感染を確認。直近1週間の、人口10万人当たりの感染者数は全国最多の状態が続いている。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

大声で叱責、「さらし者」のようなときも トヨタ社員自殺の労災認定

会員記事大野晴香 藤牧幸一 山本知佳、志村英司 近藤郷平2021年9月16日 22時32分 「何があったかを知りたかった」「本当のことを教えてほしかった」。トヨタ自動車に勤めていた男性(当時40)の自殺を労災と認めた16日の名古屋高裁判決。妻(50)は、判決後の記者会見でそう繰り返した。うつ病を発症した男性は、1年間にわたる執拗(しつよう)なパワハラを受けていた。 トヨタ自動車の社員だった男性(当時40)が2010年に自殺したのはパワハラや過重労働によるうつ病が原因として、遺族が国を相手取り、労災認定を求めた訴訟の控訴審判決が16日、名古屋高裁であった。古久保正人裁判長は「上司からの叱責(しっせき)に加え困難な業務の担当となり発病した」と述べ、労災と認めなかった一審・名古屋地裁判決を取り消し、訴えを認める逆転判決を言い渡した。 男性は1990年に入社し、自動車の部品の生産準備業務に従事。2008年4月には新型プリウスの部品の生産ラインの主担当(チームリーダー)になった。中国の子会社での部品生産準備を担当していた09年10月ごろにうつ病を発病、10年1月に自殺した。「心理的負荷は強」 新型プリウスの業務 古久保裁判長は、男性が困難な海外関連業務や、新型プリウス関連業務により心理的負荷を受けたと指摘。さらに、一審判決(昨年7月)直前の昨年6月から適用された精神障害の労災認定基準をふまえ、男性が上司から受けた叱責について検討。同僚の面前で大声で威圧的な叱責を受けていて、「態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃」と認めた。これらを1年近くにわたって反復、継続して受けたことによる心理的負荷は「強」にあたるとした。 判決は、男性が08年4月ご…この記事は会員記事です。残り2071文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

性交罪の要件拡大を議論、時効の延長も 法制審に諮問

 性犯罪を適切に処罰できるようにするため、上川陽子法相は16日、刑法や刑事訴訟法の規定のあり方について法制審議会に諮問した。性交罪が成立する要件の拡大や公訴時効の延長を議論してもらい、答申をもとに、法務省は早期の法改正を目指す。 諮問したのはほかに、性行為が一律に処罰対象となる被害者の年齢を13歳未満から引き上げるかや、性的な姿や行為を盗撮して流通させるのを処罰する規定を設けるかなど。有識者らによる法務省の「性犯罪に関する刑事法検討会」が5月に報告書をまとめたのを受け、同省が検討してきた。検討会の委員には性犯罪の被害者や支援者も加わっており、当事者の視点も重視する考えから報告書の内容を幅広く盛り込んだ。 検討会の報告書では、「暴行、脅迫」という手段や、被害者が「心神喪失、抗拒不能」の状態であることが必要とする性交罪の要件に、「威迫」を用いたり「睡眠」や「酩酊(めいてい)」につけ込んだりする行為を追加して例示する意見が示された。さらに、性犯罪はその特性上、被害の認識や申告に時間がかかるとして、公訴時効の期間を延長したり、時効の進行が始まる時点を遅らせたりすることも検討課題とした。 報告書は、判断能力がまだ未…この記事は会員記事です。残り375文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

感染者が減っても医療逼迫 専門家、シルバーウィークでの再拡大懸念

 新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織は16日の会合で全国の感染状況を分析し、座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「安定して減少してきている」と述べた。ただ、病床使用率は緊急事態宣言解除の目安である50%を9府県で上回り、「多くの地域で医療の厳しい局面が継続している」と警戒を呼びかけた。 専門家組織に提出された資料によると、15日までの1週間の全国の新規感染者数は10万人あたり41・58人で、前週の約半分に急減。東京都で0・55倍、愛知県と大阪府で0・57倍、沖縄県で0・63倍となっている。1・02倍の石川県を除く都道府県で減少した。夏休みが終わって人の移動が減ったり、長雨で外出が減ったりした影響が考えられるという。 一方、病床使用率は高い水準が続いている。内閣官房によると、15日時点で兵庫県が62%、埼玉県は60%。千葉、神奈川、愛知、滋賀、京都、大阪、沖縄の各府県でも5割を超えている。重症病床の使用率は、東京の76%が特に高い。 厚労省によると、自宅療養者数は8日時点で10万3459人、療養先調整中は1万6246人で、なお多い状況が続いている。 全国の重症者数は、15日時点で1743人。減少に転じたものの、高い水準にある。16日には全国で63人が亡くなるなど、死者は増加傾向が続いている。 専門家組織は9月のシルバーウィークや学校再開などで、感染の再拡大が懸念されると指摘。冬に向けて更に厳しい感染状況が生ずるという前提で、医療体制を整えるといった対策が必要だと訴えた。 同日に開かれた東京都のモニタリング会議でも、重症者数の高止まりで、「感染者を大きく減らさないと、救急医療への深刻な影響が続く」との指摘が出た。東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県知事は同日、シルバーウィークを前に、都県境を越える移動の自粛や、基本的な感染対策の徹底を呼びかける共同メッセージを公表した。(田伏潤、池上桃子、釆沢嘉高)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

滋賀県、確定無罪判決を否定する主張 国賠求める女性「怒り心頭」

 滋賀県の湖東記念病院で2003年に死亡した男性患者への殺人罪で服役後、再審無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(41)が国と県に計約4300万円の国家賠償を求めた訴訟で、県が無罪判決を否定する内容の主張をしていることが分かった。16日に大津地裁であった非公開の手続き後、原告側が会見で明らかにした。 昨年3月の再審の無罪判決は、西山さんの捜査段階の自白について、取り調べた県警の男性刑事が西山さんの恋愛感情などを利用して誘導したと認定。被害者が致死性不整脈で死亡した可能性があり「殺害されたという事件性が証明されていない」と結論づけた。無罪判決は翌月に確定した。 だが、県は、15日に地裁へ提出した準備書面で「取り調べ担当官に好意と信頼を寄せて虚偽の殺害を自白することなど、根本的にあり得ない」とし、捜査の違法性を否定。「被害者を心肺停止状態にさせたのは、原告である」と主張した。 再審の無罪判決で、裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません」と説諭したが、「滋賀県警としては、承服し難い」とも反論した。 西山さんは昨年12月、捜査の違法性を明らかにするとして、国賠訴訟を起こした。国は6月、「検事が有罪と認められる嫌疑があると判断したことには十分な理由があり、起訴の判断が合理性を欠くとはいえない」とし、検事の捜査に違法性はなかったとする書面を地裁に提出している。 この日の会見で、西山さんは「県の書面の内容はうそで、怒り心頭だ」と語った。代理人の井戸謙一弁護士は「予想外で大変不当」と強調。県の準備書面について「無罪とした刑事確定判決の判断を正面から否定するもの」「美香さんを再び馬鹿にし、その名誉を甚だしく毀損(きそん)するもの」などとし、県の代理人に撤回を求めたという。 無罪判決をめぐっては、県議会で昨年6月、滝沢依子・県警本部長が代表質問に対し「結果として(西山さんに)大きなご負担をおかけし、大変申し訳ない」と謝罪していた。県警監察官室は取材に対し、準備書面について「個別の案件についてはコメントを差し控える」とした。(安藤仙一朗)     ◇ 大阪市東住吉区で1995年、女児(当時11)が死亡した火災で、再審無罪となった母親の青木恵子さん(57)が国と大阪府に損害賠償を求めた訴訟が16日、大阪地裁で結審した。判決は来年3月15日。 青木さんは保険金目的で放火したなどとして殺人罪などで起訴され、無期懲役の判決を受けた。その後、大阪地裁の再審で2016年8月、自白は誘導された疑いがあるなどとして無罪判決を受け、確定した。 青木さんは、違法な取り調べで自白を強要され、精神的な苦痛を受けたとして提訴。国や府は、違法な捜査はなかったとして請求棄却を求めている。今年2月の証人尋問で、取り調べを担当した元警察官は「(青木さんを)今でも犯人だと思いますか」と問われ、「思います」と答えた。 青木さんは16日の口頭弁論で「『娘殺しの母親』の汚名を着せられたのに、国や府からは謝罪もない」と訴えた。(米田優人) 民事裁判は、刑事裁判から独立して認定できるので、国や滋賀県、大阪府がどのような主張をするかは法的に自由だ。ただ、いずれの事件も無罪判決が再審で確定し、違法な捜査があったと認めている。無罪判決を否定するような主張をするのは、「私たちは納得していない」というポーズであり、間違いを認めない姿勢の表れだ。裁判が長引くと無罪になった人の負担が増え、救済も遅れる。捜査機関側は素直に誤りを認めて謝罪し、事件を検証するべきだ。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

生きづらさ抱える人のアート展示 「北の病展」 札幌市で開催

川村さくら2021年9月16日 18時00分 精神疾患や発達障害などで生きづらさを感じながら暮らす人の作品を展示する「北の病展」(https://kitanoyamaiten.wixsite.com/kitanoyamai)が16日、札幌市中央区の「アートスペース201」で始まった。 同展は2016年に始まり、今回は高校生から50代までの46人が参加。絵画や写真、小説、人形などさまざまな表現が並ぶ。 展示会を主宰するアーティストのはなびさん(32)は「私たちは今ここにいる」をテーマにする。自身も不安障害などを持ち、就労継続支援B型事業所に通い生活している。精神科に通院し、精神安定剤と抗うつ剤を処方してもらう。今回は自傷の痕があったり、薬瓶に囲まれたりした女性の写真を出展した。「日常に突然訪れる心のなかのどろどろした感情を表現しました」と話す。 展示会を続けるのは「来年の予定を決めて、またみんなで集まれるのがうれしい」からだという。生きづらさを表現したアートを見てもらい、同じように苦しむ人たちにも仲間がいると感じて欲しいと願っている。 会場は札幌市中央区南2条西1丁目7―8の山口中央ビルの6階。21日までで、入場無料。平日は午後1時~午後8時、土日祝は午前11時~午後6時、最終日の21日は午後1~4時。(川村さくら)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル