ヒマラヤグマのミナミ、26歳で死す 札幌・円山動物園

 札幌市円山動物園で4日朝、ヒマラヤグマ「ミナミ」(メス、26歳)が死んでいるのが確認された。同園によると、3月中旬ごろからふらつくようになり、重度の歯槽膿漏(のうろう)や変形性脊椎(せきつい)症が判明。投薬治療を続けたが、その後起き上がることができなくなっていた。  ミナミは熊本県阿蘇市の観光施設「阿蘇カドリー・ドミニオン」で生まれ、2000年10月に円山動物園へ移った。園内には献花台が設置されている。(川村さくら) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

思想弾圧事件の生き証人しのぶ 三浦綾子文学館で展示

 戦時中に北海道内で起きた思想弾圧事件「生活図画事件」。その被害者で、昨秋亡くなった松本五郎さん(享年99)の「最後」の講演会用原稿が、三浦綾子記念文学館(北海道旭川市)で公開されている。何度も書き直された原稿には、松本さんの平和への強い思いがあふれ出ている。  松本さんは、昭和16(1941)年、旭川師範学校(現・北海道教育大旭川校)の学生だった時、突如、治安維持法違反容疑で逮捕された。美術部に所属し、生活のありのままの姿を絵に描く「生活図画」に取り組んでいたことが、共産主義思想と結びつけられた。  未決囚として旭川刑務所などに1年3カ月投獄され、執行猶予付きの有罪判決を受けた。「生活図画事件」では松本さんを含め、同校と旭川中学校(現・旭川東高校)の美術教師や学生ら26人が検挙された。  戦後、松本さんは教員を務め、晩年は事件の生き証人として体験を語り続けた。98歳だった2019年5月14日には、東京芸大での講演を予定していた。娘の前谷弘子さん(68)=音更町=は「講演に向け、特に時間をかけて準備していた。体力的にきつく、これが最後の講演と考えていたようだ」と話す。  講演直前の5月10日、松本さ… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

上司の「妊婦様」扱い納得できない…そんな自分に嫌悪感

(悩みのるつぼ)相談者  20代女性です。  職場の上司が妊娠し、1年間産休を取ることになりました。それにより仕事の引き継ぎをしてきましたが、正直部署内が人手不足のためこれからその上司の分の仕事まで担うとなると不安で仕方ありません。  私としては、上司と部下で日々コミュニケーションを取り、万全な状態で産休に入るのだろうと考えていましたが、特にそういったアクションはなく、いつも通り仕事をこなし定時に帰って行きます。そしてコロナ禍での出産を考慮して、予定より1カ月以上早く産休に入るそうです。  妊娠はとてもおめでたいことですが、自分の出産が1番で、残された部下のことはそっちのけで早く休みたいと考えているように思えてしまいます。私たちだって命の危険にさらされながら日々出社しているのに、妊婦というだけで全て優遇されるという状況についつい嫌気がさしてしまいます。  私自身は結婚出産願望が全くありません。今回は同じ女性として理解しなくてはいけない状況だと思いますが、まわりもまるで「妊婦様」のような扱いで、妊婦がそんなに偉いのかと思ってしまいます。  こんなことを考えている自分にも嫌悪感を抱いてしまいます。こうした状況と、自分はこれからどう向き合っていけば良いでしょうか。 回答者 政治学者・姜尚中さん  あなたは今、上司を責めたいと思いつつ、責めている自分を責めている、そんなジレンマに陥っているようです。  職場での上司と部下とのコミュ… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 -…

1歳次男への傷害容疑、父を逮捕 頭の骨が折れ意識不明

 1歳の次男を床に放り投げて頭の骨が折れる大けがを負わせたとして、徳島県警は4日、同県藍住(あいずみ)町住吉、無職小林龍司容疑者(21)を傷害の疑いで逮捕し、発表した。次男は意識不明の重体で、入院中という。  徳島板野署によると、小林容疑者は3日午後2時15分ごろ、自宅アパートの部屋で次男を床に放り投げ、後頭部の骨折や外傷性くも膜下血腫などの傷害を負わせた疑いがある。容疑を認めているという。  小林容疑者の妻が3日夕に帰宅し、次男に意識がないことに気付いて119番通報した。搬送先の病院が虐待を疑い、県中央こども女性相談センターに連絡。センターが県警へ通報した。  小林容疑者は妻と長男(3)、次男の4人暮らし。同署によると、昨年5月、小林容疑者と妻からそれぞれ「子どもの目の前でけんかをした」と同署に相談があったという。(吉田博行) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ワシ対カラス、獲物を狙って氷上の対決 まさかの結末に

 北海道東部の網走湖(網走市と大空町)の氷上で、サケの死骸をめぐり、オジロワシとカラスがにらみ合いをしていた。カラスはオジロワシからサケを横取りしようと少しずつワシに接近。これに対し、ワシは獲物を奪われまいと両脚でサケを押さえつけ、鋭い眼光と太いくちばしでカラスを威嚇する。貴重な食料争奪の攻防はまさかの結末を迎えた。  オホーツク海と網走川でつながる網走湖。サケが遡上(そじょう)する小河川の流れ込みがあり、そこでは12月ごろまでサケの姿が見られる。付近の気温がしばしば零下15度を下回る冬、網走湖は全面結氷し、流れ込みで産卵後に死んだサケは、次の春までそのまま氷の下で冷凍保存される。  3月下旬、流れ込みの氷が開くと、サケの死骸が現れる。周辺に暮らす野生動物たちにとって、エサの少ない早春の貴重な食料だ。  記者がオジロワシとカラスの攻防を目撃したのは、サケの遡上する流れ込み近くの氷上だ。ワシが川底からサケを引き揚げたとみられ、当初はワシが独占してほおばっていた。  ところが1羽のカラスが「うまそうだなぁ~」と言わんばかりに、ワシに接近した。  このワシは、くちばしや尾の色などからまだ幼鳥とみられる。しかし、近い将来、翼を広げると2メートル以上もある「空の王者」となる国の天然記念物だ。幼鳥でもカラスの2倍ほどの大きさはある。  カラスに気づいたワシは、「近づくな」とばかりに鋭い眼光でカラスをにらみつける。カラスは一瞬、動きを止めたが、今度は姿勢を低くして近づき、「ちょっとだけでも、くれんカァ~」とばかりに、片脚を少しずつ伸ばした。ワシは奪われまいと両脚でサケを押さえつけ、今度は太いクチバシをカラスに向けて威嚇した。  さすがにカラスはひるんだ。  しかし、次の瞬間、近くにいたカラスが1羽、また1羽と加勢してきた。カラス数羽に取り囲まれる格好になったワシは、落ち着かないのか、嫌がるそぶりを見せ、サケを置いて数十メートル以上先へ飛び去ってしまった。  オジロワシは精悍(せいかん)な顔つきと大きな体の割に、臆病で神経質なところがある。このため写真も、かなり離れた場所から500ミリの超望遠レンズで撮影した画像の一部分をトリミングした。  ワシからサケを横取りしたカラスたちは、「どや顔」でサケをむさぼる。ワシはまだサケに未練があるのだろう。遠くの氷上から、じっとその様子を見つめていた。「ぼくのサケだったのに……」(神村正史) Source : 社会 -…

コロナで消防本部が対外業務見合わせ 和歌山県高野町

 和歌山県高野町は4日、町消防本部職員3人に新型コロナウイルス感染が確認され、残りの消防本部職員全21人が濃厚接触者と判断されたと発表した。保健所の指導を受け、住民との接触を控えるために職員による対外業務を見合わせている。  和歌山市や橋本市など周辺にある4消防当局の応援を受け消防、救急などの業務に当たっている。今のところ業務に支障はないという。  高野町によると、1日に職員1人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。職員のPCR検査でも3日までにさらに2人の陽性が判明した。残る21人は陰性だったが、対外業務を控えている。  高野町は高野山を中心とする和歌山県北東部の町で、人口は約2900人。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

駅と郵便局なぜ二刀流? 新型E131系で巡る鉄道王国

 吉本興業の鉄道好きユーチューバー、鈴川絢子です、今回はJR安房鴨川駅にやってきました。こちらに止まっているのは、春から内房線、外房線、鹿島線に導入された新型車両E131系です。この車両の秘密をお聞きしながら、この辺りのエリアを楽しみたいと思います。では行ってきまーす。 「鉄道王国」の千葉県を、鈴川絢子さんが巡る企画の2回目。1回目の京成電鉄に続き、今回も鉄分たっぷりにご紹介します。  車両の正面に水色と黄色の水玉模様がありますね。房総の海の水しぶきと地域を彩る菜の花をイメージしてドットで表し、デザインしたそうですよ。  外房、内房線のために設計された新型車両で3月13日から運行されています。  ワンマン運転で2両編成になりましたが、総武快速線でデビューした新型車両E235系で使われている新技術をふんだんに使って、省エネやバリアフリーに配慮した車両になっています。  早速車両に入ってみましょう。ワンマンに対応するように、車両外側にカメラがあって、運転席のモニターで、乗降客の様子を確認できます。性能がよくて、夜中でもよく見えて、安全に配慮されたそうです。  ボタンを押して自分で開閉する半自動ドアは4扉あります。ホームドアのある路線でも使えるようにしたそうです。超音波を出す装置で、ホームがない場所でドアが開かないようになっています。ドア横のボタンも大きくて初めての方も使いやすくされています。開けちゃいまーす。うれし。  千葉エリアの新型車両として登場したけど、今後、各地で運用されることが期待されています。中央線の勾配のきついところでも試験したそうですが、先を見据えて、標準化に備えた仕様になっているんですね。  ピンクのフリースペースはベビーカーがそのまま置ける広さ。私にも子どもがいるのでこういったスペースのありがたみがよく分かります。トイレも電動車椅子の人が使える広さで、バリアフリーに配慮したつくりです。  ボックスシートもあります。観光客がみんなで座れて旅気分が味わえるようになっています。  お二人の開発者にお話をお聞きします。JR東日本の車両技術センター課長の横山啓之さん(50)と、千葉支社車両課長の宮下敏雄さん(51)です。  《宮下さん ご利用状況を分析… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source :…

軽バンに本どっさり 街の本屋が届ける「偶然の出会い」

 週末は軽バンにどっさり本を積み、マルシェへ。インターネットの時代に、岡山県玉野市で書店を営む根木慶太郎さん(60)は「本との偶然の出会いを届けたい」と走り回る。      ◇  軽バンの荷台を開けると、約500冊の絵本や専門書がぎっしり。折りたたみ机に本を並べてテントを張れば「旅する本屋」のできあがりだ。  玉野市八浜町見石で書店を営む傍ら、昨秋、本の移動販売を始めた。週末、マルシェなどに赴き「本との偶然の出会い」を届けて回る。「偶然が良い。感心がないところへも、自分の見える世界が広がるから」  岡山市出身。文庫本に没頭し、中学ではSF小説を中心に読書量は年間300冊を超えた。「知らないことを知る『違和感』が楽しかった」。食卓に並ぶ調味料の説明書きを目で追う「活字中毒」ぶりだった。  大学では建築を学び、卒業後は岡山の住宅会社で働いた。20年を超す会社員生活を経て2005年、洋書やアート本など気に入った本だけを扱う書店「451BOOKS」をオープン。店名は、本を禁じられた社会をテーマとしたレイ・ブラッドベリのSF小説「華氏451度」からとった。  ネット通販や電子書籍の台頭で、まちの本屋が減っている。大きさや重さ、質感。紙の本は手に取るだけで、かけがえのない体験になるのに。本の魅力をたくさんの人に知って欲しい。お気に入りの本との「旅」に出たのはそんな理由だ。  県内中心に10カ所ほど回った。車を止めると、自然と人が集まる。熱心に本を見つめる人には、そっと作品の魅力を語りかける。「特別な1冊との出会いが、記憶に残る場所にしたい」。問い合わせは451BOOKS(0863・51・2920)。(華野優気) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

【ライブ配信中】法隆寺で聖徳太子1400回忌法要

 今年は聖徳太子(厩戸皇子(うまやどのおうじ)、574~622)の1400回忌にあたる。100年に1度の節目、奈良の世界遺産・法隆寺では4月3、4、5日の日程で遠忌(おんき)法要が始まった。実は100年前の大正時代には、実業家の渋沢栄一(1840~1931)が1300年遠忌法要の実現に尽力していた。(岡田匠)  朝日新聞デジタルでは4月3~5日の法要の様子を、動画でライブ配信します。(電波の状況などにより、画像が乱れたり、配信が一時停止したりすることがあります。ご了承ください)  法隆寺は明治初期、政府が出した上知令で領地を没収され、寺を維持するのに苦労していた。1878(明治11)年に宝物を皇室に献納し、下賜(かし)された1万円で伽藍(がらん)や寺宝を守ってきた。1300年遠忌法要の実現には、財政支援が必要だった。そこで渋沢栄一が立ち上がった。今年のNHK大河ドラマの主人公でもある実業家だ。新1万円札の顔になることも決まっている。  渋沢は法要の3年前の1918(大正7)年、奉賛会をつくると、今の上皇さまの祖父の久邇宮(くにのみや)邦彦(くによし)を総裁に、紀伊徳川家15代当主の徳川頼倫(よりみち)を会長にたて、渋沢は副会長に就いた。18年5月17日付の東京朝日新聞には「聖徳太子千三百年遠忌 奉賛会設立さる」の記事が載り、徳川や渋沢の名前もある。  太子をたたえる歌も作られた。奉賛会は19年2月28日付の紙面に「聖徳太子讃歌懸賞募集」の広告も掲載。20年1月27日付の記事で「讃仰(さんぎょう)唱歌決定 来(きたる)三十日発表」と報じられている。 共に1万円札の肖像となる太子と渋沢 その縁とは  法隆寺の法要や、太子の墓がある叡福寺(えいふくじ)(大阪府太子町)の法要などの予算計45万円は寄付でまかなうことにした。21年4月2日付の紙面には「太子御遠忌に御下賜金(ごかしきん) 東宮殿下より」の記事も見える。当時は皇太子だった昭和天皇が法隆寺と奉賛会にそれぞれ500円を寄付したと伝えている。  法要は4月11~17日の1週間にわたった。皇室をはじめ、当時の原敬首相も参列した。参拝者は約26万人に上ったという。東京朝日新聞にエッセー「法隆寺詣で」が掲載され、「汽車の混雑には殆(ほと)んど閉口」「早旦(そうたん)五時に名古屋を出る汽車が忽(たちま)ち満員」「奈良に向(むか)う人の繁(しげ)さ」と描かれた。  奈良大学の東野(とうの)治之(はるゆき)名誉教授によると、国を挙げての法要になったのは、明治になって天皇中心の国づくりが進んだことが影響している。太子は外国の文化を採り入れるだけでなく、日本の文化も大事にし、天皇中心の政治を打ち立てたと当時は考えられた。  「太子が豪族ではなく、皇室の人物であることも大きい。信仰の対象としての太子から、歴史上の偉大な指導者として評価されるようになった」という。  渋沢もこうした流れの中にあった。太子は江戸時代、日本古来の神道を軽んじ、海外から伝わった仏教を重んじたと国学者や儒学者に非難された。渋沢も同じような考えだったようだが、その後、親交のある歴史学者や美術行政家に説得され、太子を慕うようになったという。  法隆寺にも1300年遠忌の機運に乗り、寺を興隆させたいという思いがあった。法要後の34(昭和9)年には、当時の文部省が法隆寺を国として守っていく法隆寺国宝保存事業部を設けた。  東野名誉教授は「1300年遠忌をきっかけに法隆寺はより一層、特別な寺になった。貴重な文化財があり、太子が建てた寺として、格別なあつかいを受けるようになった」と話す。 聖徳太子とは…仏教中心の国づくりと超人的な伝説…

さくらの桜、今年も咲いた あの姉と弟は元気だろうか

 神戸市の児童相談所で働いていた石井伸郎さん(62)が、「さくら」に出会ったのは2003年のことだった。  当時、ある姉弟を担当していた。小学校高学年のしっかり者の姉と、低学年のやんちゃな弟。古い市営住宅で、アルコール依存症の30代の父親と1匹の犬と暮らしていた。小さな雑種犬。それがさくらだった。  父親は子どもへの愛情はあるものの、いつも酔っ払っていた。酒飲み仲間と引き離すため引っ越しをするよう促しつつ、応じない場合は姉弟を一時保護することも考えた。  いずれにしても、犬を一緒に連れていくことはできない。あきらめてとお願いしても姉弟は「イヤや」と首を縦に振らない。「じゃあ、犬はおっちゃんが育ててやる。どうや?」。そう言うと、姉が「時々会わせてくれる?」と聞いてきた。「ええで」  石井さんは、児相には内緒でこっそりと犬を自宅に連れ帰った。家では黒い大型のラブラドル犬を飼っていた。もう1匹ぐらい増えてもいいかと、軽い気持ちだった。  だが、連れ帰った犬は警戒心を… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル